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笠間出身・元パラサイクリングタンデムパイロット大木さんがインソール開発

アテネパラリンピックで使ったタンデム自転車を前に「IRERUDAKE」を手にする大木さん

アテネパラリンピックで使ったタンデム自転車を前に「IRERUDAKE」を手にする大木さん

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 笠間市出身で元パラサイクリング・タンデムスプリント日本代表でアテネパラリンピック銀メダリストの大木卓也さんが現在、自身が手掛ける足底三点指示式インソール技術「リカム」を使ったインソール「IRERUDAKE」を開発し、オンラインショップなどで販売している。

「IRERUDAKE」

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 大木さんは笠間市生まれ。2004年アテネパラリンピック・パラサイクリング男子タンデムスプリント銀メダリスト。同大会では健常者パイロットとして出場した。

 大木さんは自転車関連会社勤務を経て2019(平成31)年3月、骨盤にフォーカスしたインソールの開発・販売を手掛ける会社「IRERUDAKE(イレルダケ)」(茨城県笠間市)を設立。足裏から身体のバランスを整えるインソール「DAKE」などを開発してきた。

 大木さんによると、インソール開発のきっかけは前職のころ悩まされた頭痛だったという。大木さんは、競輪選手を志すなどとして活動していたころ、練習中の落車で首や鎖骨などを骨折。不定愁訴の突発性頭痛や嘔吐(おうと)・目まいなどが頻発するようになったという。

 頭痛の解決策を探る中で、歯科医師の妻と参加したかみ合わせ調整の研究会で、人が2足歩行をするためには、頭位と骨盤の2カ所の重心バランスが重要ということを知った。研究会の技術をとりいれた治療を受けたところ、長年患っていた不定愁訴の症状が改善したという。

 大木さんは「重心バ ランスを整えるためには足裏のどこに重心があるかが重要であることを知り、2018(平成30)年ころからインソールを研究するようになった」と振り返る。 試行錯誤の末、オーダーメードの技術を応用した製品で、身体の重心バランスの位置を変える特許技術「RiCAM(リカム)」 を搭載したインソール「IRERUDAKE」を完成させた。

 普段履く靴の中敷きに使えるという「IRERUDAKE」は21~29センチの靴に対応する。価格は9,900円。

 特許技術という「RiCAM」は、Re(再び)、Come(来る)から命名。「足をしっかり使えるようにすることで本来の立つ・歩くなどの動作に戻し、100歳になっても健康で歩き続けられるようになってもらいたい」との思いを込める。

 「RiCAM」の特徴は足裏のアーチに作用する3点突起。「3点突起によって身体の軸が整い、ブレや不安定さを軽減できるという。体幹を力強くサポートしてくれるため、 美しい姿勢になることはもちろん、快適な歩行や骨盤まわりの悩みにもアプローチできる」と大木さん。

 同社では、足底三点指示式インソール技術「RiCAM」の立位と歩行に与える影響を東京電機大学工学部機械工学科の井上淳准教授と共同検証。大木さんは「リカムを使った際に、立位時の左右の足圧中心が平行になることから、左右で癖の異なる立ち方が改善されることが確認できた」と話す。

 「普段ふらつきながら歩く脳性まひの方が、ビンディングシューズ(自転車に固定する専用シューズ)を履いて自転車に乗るとまっすぐ進むことができるというのも開発のヒントになった」とも。

 大木さんと井上准教授は、足裏にあたる3つの突起の技術を使い、中足部中央に身体の重心点を誘導することで、片足28個からなる骨で身体をニュートラルポジションに戻す「RiCAM ニュートラルポジション理論」を展開。今年6月には学会発表も行ったという。

 2018年のインソールとの出合いから3年。歩行困難の障がいを抱える人から学生、主婦、高齢者まで老若男女に商品を試してもらったという。大木さんは「困っている人が自分の足で体を支えられて、本気の笑顔になっていくのがうれしい」と笑顔を見せる。

 「今後はRiCAM技術を使ったスニーカーやサンダルなどの商品を展開し、歩行困難者はもちろん、世界中の歩く人をサポートしていきたい」と意気込む。「パリを目指す選手の日常生活にも取り入れてもらえたら」とも。

 「IRERUDAKE」は、「IRERUDAKE」オンラインショップ、茨城県内を中心とした自転車店などで販売する。

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