水戸の美容室「mahaloco」が9月17日、同店舗を運営する「OHANA」社長の岩上巧さんが開発した頭髪改善方法「ハウオリ」の特許を取得した。

　薬液を使ったり、高熱によるダメージを与えることなく頭髪（毛髪）の髪質と頭皮の状態を改善できる新規の頭髪改善方法が認められた。

　同店は同社の1号店「maCoto-hair」に続く2号店として2008（平成20）年にオープン。店名「mahaloco」は、ハワイ語の「mahalo＝ありがとう」と「Loco＝地元の人、地域の人」を合わせた造語。美容だけでなく、カフェやパーティー、ハワイアンジュエリーなどの販売も行っている。

　技術の開発は、2013（平成25）年ころから始まった。美容師として頭髪（毛髪）や頭皮の負担なく髪質改善ができないかとスチームを活用した方法を模索していたある日、薬剤を塗布し忘れ、水だけで施術した髪の仕上がりが、薬剤を塗布した場合と変わらなかったことから疑問が生まれたという。

　「もしかしたら水だけで髪質を改善できるのではないか」。髪にストレッチをかけ、水の温度を調整し、スチームを当てるなど工程を試行錯誤すること4～5年工程が固まった。

　工程は、シャンプー・コーミング後に、プレスチームを当て、頭髪を複数のブロックに分け、各ブロックの頭髪にその毛根を引っ張るように張力をかけながらロッドを巻き付け、そのロッドを輪ゴムで固定する「ヘアストレッチ」、同工程で使う輪ゴムに張力を加えて毛根および頭髪にかかる張力を維持する「ピニング」、ロッドに巻き付けられた頭髪部分に50～60℃の温水を塗布する「温水塗布」、頭髪全体をキャップで覆い、そのキャップ内に所定温度の蒸気を所定時間供給する「スチーム」の流れ。最後にリンス、乾燥、ブローで完成となる。2017（平成29）年9月に特許申請し、今年一発認定を受けた。

　現在、同技術は全国約30の美容室で展開している。社長の岩上さんは「ハウオリは、全てのヘアデザインの土台を支える技術。頭皮の改善ができたり、毛流を調整できたり、新しく生えてくる髪質が変わったり、日々のセルフスタイリングが楽になったり楽しくなったという声もいただいている。今回の特許取得も、お客さまと喜びを分かち合うことができた」と振り返る。「ハウオリは、薬剤を使わないので、肌にも環境にも良く、足していく時代から、シンプルなものを選ぶ今の時代にも合っているように思う。今後もお客さまが『そうそう、これこれ』と心躍るよろこびをデザインできれば」と笑顔を見せる。

　営業時間は9時～18時。月曜・火曜定休。