水戸のスポーツ用品店「コヤマスポーツ」(水戸市南町)が10月1日、創業100周年を迎えた。
同店は1921(大正10)年、水戸市の中心市街地となる同所で「全運動具 小山商店」として創業。1945(昭和20)年8月の水戸市街地の空襲を乗り越え、2018(平成30)年10月から4代目の小山健一郎さんが社長を務める。現在、スポーツ用品販売、学校などの指定用品販売、インソール製作などを手掛ける。
健一郎さんさんは「ここまで続けられたのも地域の皆さまからの支援のおかげ」と話す。同社では今後も「地域密着」「健康」をキーワードに、「まちのスポーツ用品店」としての役割を担って行く考えという。
100年前に健一郎さんの曽祖父の代から始まった店は、ゴルフブーム、バブル期のウインタースポーツブームの流れに乗り、県内で最大5店舗まで拡大した時期もあったという。ECサイト利用の定着やメーカー直販、複合施設増加など近年の流れを受け、健一郎さんは「時代の移り変わりと共に個人店が個人店として集客できないと経営し続けることが難しい時代になった」とこぼす。
外商だけではできない付加価値をつけたいと思案する中で、健一郎さんはけがや加齢による歩行トラブル、幼児~小学生の成長期の子を持つ親から受ける足の悩みに着目。NPO法人オーソティックソサエティ認定「フットケアトレーナーAライセンス」、NPO法人日本フットトレーナー協会認定「スポーツシューフィッター」日本ウォーキング協会「ウォーキング指導員」などを取得し、インソール製作事業も展開する。店舗に設置した専用機器で足のバランスなどを確認し、一人一人の状態に合ったインソールを製作するほか、現在は、日独小児靴学研究会(JAGSS)会員として、小児靴についても学びを深めているという。
健一郎さんは「人生100年時代、足元から健康やスポーツライフを支えることで、地域の人が楽しく元気に日常生活を過ごすことができるのでは」と話す。「目まぐるしく時代が変化する中で、今スポーツ用品業界も転換期。ただ卸販売だけでは生き残れない。『社会に適応するように変われるのか』、『地域の方々に必要とされ続けることができるのか』と、課題は山積みだが、どこまでも走り続けよう、と気持ちだけは前向き。地元の人に必要とされる店でありたい」と笑顔を見せる。
営業時間は10時~18時。