水戸の八木沢木工(水戸市五軒町)が、「ウッドデザイン賞2021」「いばらきデザインコレクション」でそれぞれ受賞した。
八木沢木工は1868(明治元)年、初代社長の八木澤政之助さんが家具指物製造業として創業。1953(昭和28)年に「有限会社 八木沢木工所」として法人設立し、1981(昭和56)年に会社組織を変更。現在の「株式会社 家具の八木沢」に改称、現在は「八木沢木工」という屋号を掲げ、公共施設・教育施設・オフィス・商業施設・展示施設・住宅なその特注家具製作に特化した空間づくりを展開するほか、自社ブランド製作など活動の幅を広げている。
木の良さや価値を再発見させる製品や取組について、特に優れた物を消費者目線で評価し、表彰する顕彰制度「ウッドデザイン賞」には、初めてエントリー。「ロカ ブランディング」(取手市)社長 の渡部真史さんと共同開発した、茨城県産ヒノキを使った家具「プレーリーダイニングチェア」「リーフダイニングセット」が、「ウッドデザイン賞2021」ライフスタイルデザイン部門 木製品分野で、それぞれ受賞した。
同社では約15年前から、木材を主原料とする事業者として環境負荷の小さい地域材を使った家具の製作にも取り組んでいる。
「いばらきデザインセレクション2021」では、ヒノキの家具「プレーリーダイニングチェア」が製品・工芸部門で「選定」を受賞。渡部さんがディレクションを担当した同社工場併設のショップ「八木沢木工ファクトリーショップ」がソーシャルデザイン部門で「選定」を受賞した。
受賞した「プレーリーダイニングチェア」は、「プレーリー(=草原)」の言葉の通り、まるで草原にいるような居心地をコンセプトに製作したいす。同社広報担当者の杉浦知志さんは「ゆったり座っていただくために大型の座面を備え、背もたれのカーブも大きくとり、座り心地のよさを追求したデザイン」と説明する。
「リーフダイニングセット」は、自然の葉っぱのような軽やかで美しい流線形デザインのテーブルと、自然の葉っぱに包まれているようなやわらかい丸みあるデザインのダイニングチェアのセット。
製作した商品やファクトリーショップについて、社長の八木沢章さんは「試作検討を重ね、使いやすく、十分な機能や耐久性を付与した家具を製作している。デザインも、プロダクトデザインの専門家に委ねることなく、識者にアドバイスをいただきながら、社内でリテイクを重ね完成させたもの」と振り返る。
「デザインについては五里霧中の歩みだったが、受賞というお墨付きをいただけたことで少し自信を持つことができ、大変うれしい。今回の受賞に慢心することなく、今後も『ヒノキのやさしい家具』をテーマにより良いものづくりに精進していく。ぜひ来店し、実際に製作した商品を見ていただけたら」とも。
営業時間は、平日=10時~18時、土曜・日曜・祝日=11時~19時。12月30日~1月4日休業。