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筑波海軍航空隊記念館がリニューアル 継承のためのフィールドミュージアムへ

テープカットの様子

テープカットの様子

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 筑波海軍航空隊記念館(笠間市旭町)のリニューアルオープンを記念した式典が6月25日、同記念館前で開催された。

筑波海軍航空隊記念館

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 戦争体験者による戦争の記憶の継承が時間的限界を迎える今後を見据え、戦争史跡を継承のためのフィールドミュージアムとして活用していくための改修を加えた。

 「筑波海軍航空隊」は主に戦闘機の操縦訓練を行う航空隊として1934(昭和9)年、海軍基地に設立された。同隊の拠点があった旧筑波海軍航空隊司令部庁舎の敷地内には、今も数多くの戦争史跡がほとんど当時のまま現存する。同施設は老朽化がひどく恒久的な利用ができないとの観点から取り壊される方針だったが、2013(平成25)年に映画のロケ地として活用されたことをきっかけに「筑波海軍航空隊記念館」として一般公開され、2018(平成30)年には保存が決まった。

 2020年には同記念館を戦争の記憶として継承していくため、恒久保存を目的にクラウドファンディングや署名活動を開始。クラウドファンディングでは約780人から1,500万円以上を集め、署名活動では全国から約1万7000もの署名を集めた。

 今回は、筑波海軍航空隊司令部庁舎を当時の姿のまま復元するための改修を行った。戦闘指揮所があった地下では、実物大の零戦を設置し公開する。

 リニューアルオープンに際して、元筑波海軍航空隊友の会事務局長の南英利さんは「入り口や内部、地下壕(ごう)も創建当時の姿に戻ることになる。私たちは何としてでもこの施設を後世に残したいという思いで動いてきた。笠間市に戦争遺跡を残せて大変うれしい」と話す。

 茨城県営業戦略部の橘川栄作さんは「本当に多くの仲間に支えられながら今日を迎えることができた。この施設を絶対に忘れさせない」と意気込む。

 開館時間は9時~17時(最終入場は16時)。休館日は毎週火曜(祝日の場合はその翌日)・年末年始(12月29日~1月3日)。入館料は、大人=500円、子ども=300円。

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