「かさましこ日本遺産推進講演会in笠間」が11月17日、笠間公民館(笠間市石井)で開かれた。主催は「かさましこ日本遺産活性化協議会」。
講演会は、笠間市と栃木県益子町にまたがり焼き物のエリアとして認定を受ける日本遺産の活性化を図ることを目的に企画された。当日は、水戸市出身の荒川正明学習院大学教授が「日本陶磁の魅力 近世陶磁を中心に」と題して講演。荒川教授は日本の陶器、磁器の移り変わりを古墳時代までさかのぼって解説。日本の陶磁器の持つ魅力について、つぼなどに描かれる釉薬(ゆうやく)がの垂れる模様を例に「あふれ出るエネルギーの象徴」と説明した。
次いで事例報告が行われ、吹野富美夫茨城県教育財団調査員が「笠間焼」、水戸市教育委員会の関口慶久さんが「七面焼」、瓦吹堅茨城県考古学協会長が「松岡焼」について、それぞれの歴史や特徴などについて研究成果を報告した。
2020年に文化庁の日本遺産に認定された同エリアには約600の窯元が点在。同協議会は、その魅力を国内外に伝えるために今後も活動を続ける予定。
来場者による質疑を受けた陶芸家の一人は「茨城県内には焼き物の産地が各地にあったのに、なぜ笠間焼だけが発展したのか、今後研究を深めてほしい」と期待する。