参拝者の罵声が飛び交う日本三大奇祭の一つ「悪態祭り」が12月18日、笠間の飯綱神社(笠間市泉)と山麓の愛宕山中で繰り広げられた。
同祭は愛宕山にすむ13人の天狗が妖魔や疫病から人々を守ったという伝説に基づき、白装束に身を包んだ氏子13人が山中に点在する18の祠(ほこら)を巡る。巡拝の途中で参拝者から「ばか野郎!」「早くしろ!」などの悪口が浴びせられ、それぞれの祠に捧げられた供物を参拝者が奪い合う荒々しい祭りとして知られる。
コロナ禍で2年間は山頂付近にある愛宕神社での神事のみ行われたが、今年は新人9人が加わったため「新しい人に祭りの形式を伝えるように巡拝だけは行うことにした」と氏子総代の高野博之さんは話す。コロナ禍の影響で一般参拝は行われず、氏子などによる神事のみの祭りになり、奇祭としては珍しい光景となった。
祭りのクライマックスとなる神社境内での餅やお菓子のばらまきは行わず、参拝者によるやじや怒号のない静かな祭りになった。