見る・遊ぶ

笠間・仏画で名をはせた「木村武山」ゆかりの仏堂「大日堂」公開

扉に描かれた仁王

扉に描かれた仁王

  • 0

  •  

 笠間市出身の日本画家「木村武山(きむらぶざん)」ゆかりの大日堂(笠間市箱田)の公開が4月23日、始まった。

色鮮やかな壁画と木造大日如来坐像

[広告]

 武山は1876(明治9)年、北山内村大字箱田(現・笠間市箱田)に生まれ、幼い頃から絵を習い、東京美術学校(現・東京芸術大学)に入学。岡倉天心らの下で日本画を学んだ。

 平泉の中尊寺金色堂の修復や高野山金剛峰寺(こんごうぶじ)金堂の壁画制作を行うほか、第1回文部省美術展覧会で入賞するなど数々の功績を残している。

 大日堂は、武山が1935(昭和10)年に建てた総ヒノキ造りの仏堂。内部には、武山の生家近くにあった廃寺「箱田吉祥院」の本尊と伝えられている「木造大日如来坐像(ざぞう)」が安置され、その壁面や天井には色鮮やかな仏画を見ることができる。

 扉を開けると「仁王」が現れ、正面の壁には「大日如来」、両隣には「月光菩薩(ぼさつ)」「日光菩薩」、右壁面には「虚空蔵(こくぞう)菩薩」、左壁面には「弘法大師」、天井中央にはタカやツバメが描かれている。

 武山は堂内の仏画を描く途中、脳出血で倒れ、利き手である右手の自由を失ったが、その後、左手で絵筆の訓練を重ね、「虚空蔵菩薩」「弘法大師」を描いたという。

 公開初日に訪れたアメリカで歴史の教師をしていたという男性は、解説員と話しながら「とても美しい」とカメラのシャッターを何度も切っていた。

 公開は毎月第2・第4日曜の9時~16時。拝観料は、大人(大学生以上)=500円、小人(小学生以上高校生以下)=300円。拝観は予約制。拝観希望日の5日前まで予約が可能。解説員が同行し武山や大日堂について説明する。予約は同市生涯学習課(TEL 0296-77-1101)まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース