那珂で9月7日・8日の2日間、市内の企業や移住者を訪ねるバスツアーが行われた。「いぃなか暮らし」をキャッチコピーに、市内への移住や就業促進に取り組む那珂市が企画した。
水戸駅を出発した同ツアーには、首都圏などから大学生13人が参加。茨城県内で人材支援を行う「えぽっく」(日立市)の若松佑樹さんが案内役を務めた。若松さんは「観光ツアーよりも深く地域を知ってもらうために、地元で活躍する人や移住者と交流する時間を多く設けた。若者目線で那珂の魅力を探ってほしい」と話す。
1日目は、酒造メーカーの木内酒造(鴻巣)や菓子製造を行う「日乃本米菓製造」(後台)などを見学。立ち寄った静峰ふるさと公園(静)では、那珂市地域おこし協力隊メンバーが園内を案内し、今後のイベントの予定や同園が抱える課題について説明した。
2日目は、パン工房ぐるぐる(菅谷)を訪問。パンの世界大会に日本代表として出場する店主の栗原淳平さんが講演を行った。参加者へ向けて、栗原さんは「大会やメディアに出ることが那珂の宣伝になれば。おいしいパンを作り続けるために、地元の食材やお客さまの声を大切にしていきたい」と地域への思いを話した。その後、参加者は2日間の行程を振り返りながら「那珂で暮らす魅力」について意見を交わすワークショップを行った。
土浦から参加した服部文則さんは「那珂は、豊かな自然や空き地を活用したまちおこしができそうだと思った。大学で都市計画を学んでいて、このツアーに興味を持ったが、客観的な視点でまちづくりについて考えることができた」と振り返った。
同市政策企画課の宮内亮輔さんは「県外からの参加者もおり、住民とは違う新たな目線で那珂の魅力を探る機会となった。移住や就業を考えるきっかけになれば」と期待を込める。