私設図書館を併設した交流拠点「シェアベースmigiwa(みぎわ)」の開設準備が現在、水戸市上水戸で進められている。
現在の名称は「はちとご文庫」。今後、「シェアベースmigiwa」にリニューアル予定
プロジェクトの中心になるのは、空き家を活用して住み開きシェアハウス「Co-Livingはちとご」(水戸市上水戸)や併設する私設図書館「はちとご文庫」を運営している板谷隼さん。同プロジェクトでは、同館の物件を改修し、コワーキングスペースやワークショップで利用できる「シェアリビング」と私設図書館を兼ねた空間にリニューアルする。
活用する物件は、かつて内科・小児科診療所として使われていた。「はちとご文庫」として営業する現在も、近隣住人や板谷さんの友人、同シェアハウスの住人の交流の場となっている。新しい名称について、板谷さんは「汀(みぎわ)は水際や波打ち際の意味で、場を開くことで人やモノ、コト、新しいアイデアが流れてきて、また次の場所へ流れていくような場にしたいと思った」と話す。「関心を寄せてくれるさまざまな方たちと共に運営していけるとうれしいので、境界の曖昧さも表現したかった」と言い、利用者が有料で施設内に自分の本棚を持つことができる一箱本棚オーナー制度も導入予定。本棚オーナーは自分の本棚に好きな本を並べ、本の貸し出しや販売、活動のPRに使えるほか、同施設の店番をすることもできる。
板谷さんは奈良県出身で、筑波大学体育専門学群への進学を機に茨城に移住。その後、同大学院を修了した2020年、サッカークラブ「FC水戸ホーリーホック」にアカデミーコーチ(子どもたちの指導者)として加入したのに伴い、拠点を水戸に移した。同年秋ごろから地域でのイベントに関わり始め、2021年に同シェアハウスを立ち上げ、翌年、同じ物件で私設図書館もスタート。昨年12月に現在の場所へ移転し、活動を継続してきた。サッカーコーチとしての本業の傍らで場づくりを継続してきた板谷さんは「自分の場づくりはおのずとテーマが『学び』と『回復』になっているように思う。元気な人や若い人だけでなく、地域のあまねく人が立ち寄れ、思い思いに過ごせる場にしたい」と話す。
現在、クラウドファンディングで協力を呼びかけている。4月26日に当初の目標額を達成し、現在はネクストゴールとして目標額を180万円に設定し、引き続き支援を呼びかける。クラウドファンディングは5月13日23時まで。
リニューアル後のオープンは6月中旬を予定する。