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ひたちなかの茨城高専、タイの中高一貫校と学術交流・学術協力協定更新調印

調印式に参加した茨城高専とチュラポーン王女サイエンスハイスクールペッチャブリー校の関係者ら
(前列左から)ペッチャブリー校のヨペット・ガムコン校長と茨城高専の鈴木秋弘校長

調印式に参加した茨城高専とチュラポーン王女サイエンスハイスクールペッチャブリー校の関係者ら (前列左から)ペッチャブリー校のヨペット・ガムコン校長と茨城高専の鈴木秋弘校長

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 茨城高専(ひたちなか市中根)とタイの国立中高一貫校「チュラポーン王女サイエンスハイスクール(Princes Chulabhorn Science High Schools, 以下、PCSHs)ペッチャブリー校」が6月10日、学術交流および学術協力協定の更新調印式を行った。

調印式の様子

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 PCSHsは、タイ教育省が1993年に設立した全寮制の12校。チュラポーン王女(現国王ラーマ10世の妹)の名前を冠した学校で、科学・数学・テクノロジーの才能ある中学生と高校生を育成し、タイの科学技術者のために環境を整え支援している。

 茨城高専では1984(昭和59)年度から、主にアジア諸国から留学生の編入学を受け入れ、2002(平成14)年度に国際交流センターを設置。世界9カ国、計11の教育機関と学術交流協定を結び、協定校とのインターンシップなどを行っている。PCSHsペッチャブリー校とは2019年に協定を締結し、2020年から同校とともにタイと日本の高校生サイエンスフェア「TJSSF (Thailand Japan Student Science Fair)」に参加し、学術・文化交流を行っている。そのほか、タイで開催されるICTフェア、サイエンスフェアへの参加、日本で行うグローバルキャンプを通じ国際交流を深めているという。

 従来はタイ国内の高校卒業後からの3年次からの編入のため、修了までに2年の差があったが、中学卒業後の若者を高度技術者に育成する高専本科・専攻科の計7年間の仕組みに注目したタイ側からの要請を受け、国立高等専門学校機構とPCSHsが学術交流協定を結び1学年から入学できるように進めてきたもので、2018(平成30)年4月から国内で初めて1学年次受け入れを始めたという。6月11日時点で、同校には25人の留学生が在籍しており、そのうち12人がタイのPCSHs校からの留学生。

 調印式では、更新調印を交わした後、ペッチャブリー校のヨペット・ガムコン校長と茨城高専の鈴木秋弘校長がそれぞれあいさつ。ヨペット校長は「私たちが当初から築き上げ、今後も育んでいくであろう強い友情に感謝している」と話し「私たちの努力とコミットメントを通じて、茨城高専とPCSHs校の学生とスタッフ間の関係や友情をさらに強化し、より多くのことを達成できると確信している」と締めくくった。鈴木校長は歓迎の言葉とともに「私たちが共に学び、共に成長し、共に未来を築くために努力することを心から期待している」と期待を口にした。

 茨城高専の加藤文武グローバル教育センター長は「1年生から両国の学生が共に学生生活を送ることで、互いに言語を教え合うだけでなく、地元出身の学生にとってはタイの文化や宗教感、生活習慣、考え方を知ることで大きな刺激になっているように思う。言葉は意外と何とでもなるもので、それ以上に心を開けるかどうかが一番大きな問題なのだと気づくことで意識が変わっている様子が見て取れる」と2019年の締結から5年での学生の変化を語る。

 タイには現在2校の高専が設立されており、今後も同校との連携や交流を深めていく予定。

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