水戸の震災3日目-復興へ市民有志の炊き出しも

水戸の飲食店主らが行った炊き出しに多くの市民が集まった

水戸の飲食店主らが行った炊き出しに多くの市民が集まった

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 東日本大震災から3日目を迎えた3月14日、水戸市内は時折襲う余震におびえながらも日常生活を取り戻りつつある。市内若手飲食店経営者らによる炊き出しなども行われ、市民同士の助け合いの輪が広がっている。

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 交通の要所・水戸駅はJR、大洗鹿島線などは不通。ペデストリアンデッキや駅ビルなどへの立ち入りは禁止されている。しかし、茨城交通などのバスの一部運行が始まり、前日まで長蛇の列を作っていたタクシー乗り場も平常時の姿に戻った。水道、電気などのライフラインも復旧しつつあり、水戸の一部やひたちなか市、東海村、日立市などでも復旧の見通し。

 建物などへの被害が少なかった水戸市の飲食店などでは店内の後片付けに追われた。500円ランチの提供を始めた水戸駅前味平ラーメン店主の田口紀久男さんは「食材が手に入らないので、今日だけになるかもしれない」と話す。

 夜は市内の「穴とらや」「炎神(あぐに)」「ラーメンさとー通」らの若手飲食店主らが13日から、水戸市泉町でラーメンなどの無料炊き出しを開始。14日には県内で業務スーパーを展開する「カワサキ」が全面的に食材を提供。ツイッターや口コミで集まった市民らが温かい食事を口にしていた。この炊き出しは15日、同市桜川の炎神店前でも行う予定。

 一方、市内では食料品や水を求めて、スーパー、コンビニなどに前日に続き長蛇の列ができた。特にガソリン不足は深刻で、長時間並んでも売り切れになるガソリンスタンドも。市内幹線道路も陥没や隆起、ひび割れ、信号機の停電も多く、危険個所が数多くある。

 この日実施される予定だった計画停電が回避されたため市民生活に混乱は見られなかったが、茨城県沖を震源とする余震が続き予断を許さない状況。市内各市民センターには仮設トイレなどが設けられ、多くの市民が利用している。

 これまで水戸経剤新聞に寄せられたメールなどでは「電気も来ていないのに、計画節電の対象になった」「岩手、宮城、福島と同じなのに、救援物資が届かない」「電源がなくこれが最後のメール」といった声が届く。

 14日21時現在で県内ではいまだ2万人余りが避難所生活を送る。たまたま水戸へ観光で来ていた人が避難所で配られた毛布を羽織って駅前を歩く姿も見られる。茨城大学では後期一般入試を中止し、センター試験結果のみでの合否が判断されることになった。

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