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水戸芸術館で花植え会 市民が花壇で「大丈夫」の3文字作る

「夫」の文字に花を植えた当日の様子

「夫」の文字に花を植えた当日の様子

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 水戸芸術館が9月7日・8日、同施設広場で地元民を対象に「花植え会」を行った。

(左から)アートユニット「山下麻衣+小林直人」の山下さん、小林さん

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 花壇に花で「大丈夫」の3文字を植える同企画。動植物や自然を含めた他者との関係構築を試みる2人組アートユニット「山下麻衣+小林直人」による作品展「他者に対して、また他者と共に」に出展する市民参加型作品「人が花に対して、また花と共に行う営み」制作の一環。

 水戸芸術館では4月から、花壇に花を植える「花壇クラブ」の参加メンバーを募集。配色や完成後の花の世話などについて話し合いを重ねてきた。7月から一文字ずつ花を植え、今回、最後の「夫」の文字を完成させた。同花壇は作品展「他者に対して、また他者と共に」の会期が終了する10月6日まで公開する。

 同ユニットメンバーの小林直人さんは「人はなぜ花をめでるのかに関心があった」と話す。同メンバーの山下麻衣さんは「花で文字を作るアイデアは元々あり、水戸芸術館の環境に背中を押された」と振り返る。

 山下さんは「2人にとっては今回が初の参加型作品。みんなが『自分の花壇』だと思ってくれている」とほほ笑む。

 「花壇クラブ」メンバーの石井陽子さんは「美術と人との関わりに興味があって参加した。企画がなければ出会わなかった人たちが交わって活動していて面白い」と話す。

 「大丈夫」の言葉について、同館学芸員の畑井恵さんは「日本語として意味が広い言葉で、さまざまな人に関わってもらいたいと思った」と話し、同クラブメンバーの髙野佑子さんは「芸術や美術がそうであるように、人それぞれの捉え方で『大丈夫』という言葉を受け取ってもらえたら」と話す。

 当日、一般参加者として花を植えた渡辺由美さんは「見ず知らずの初対面の人と会話しながら花を植えるのは他者との境界を越える感じがした」と話す。親子で参加した小学5年生の菊池琴美さんは「土を深く掘って植えるのは大変だったが、たくさんの人が見てくれると思うと楽しく作業できた」と話す。母・桂さんは「花が咲いたころに塔の上からも見てみたい。来るたびに楽しめると思う」と笑顔を見せる。

 山下さんは「鑑賞するだけでもいいし、花壇に今後も花を持ち込んで植えたり世話をしたりとそれぞれの形で楽しんでもらえたら」と話す。

 10月5日・6日は10時から、作品展終了に合わせ花壇に使った花を無料配布する譲渡会を行う。

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