![みそ作りの様子](https://images.keizai.biz/mito_keizai/headline/1738994877_photo.jpg)
茨城町地域おこし協力隊の中地朝子さんが2月2日、連続講座「農と食の体験in茨城町」の最終回として「みそ作り」を行った。
汽水湖・涸沼(ひぬま)近くの下石崎地区の畑で、昨年6月から全6回にわたり行った同講座。水戸市を中心に、千葉、東京、埼玉から家族連れなど各回約30人が参加した。中地さんは茨城県伝統品種の大豆「茨城在来」を使い、種まきから収穫、調理、実食まで体験を企画。参加者に自然の恵みや農業の難しさ、食の大切さなどを伝えた。
講座では農薬や化学肥料を使わずに大豆を栽培したほか、旬の農産物を使った昼食作りも行った。下石崎地区の住民や町内の若手農家が農業体験や昼食作りを手伝った。
夏に種をまき育てた大豆は秋に枝豆として収穫。その場で、採れたてゆでたてを食べた。子どもたちは土に触れ、畑の生き物に出会うなど自然体験を楽しんだ。大豆のほかに季節野菜も育て、畑から収穫した野菜をそのまま調理して食べるなど、旬の味を楽しんだ。冬には昔ながらのきねと臼で餅つきを行った。乾燥させた大豆をいって粉砕し、きな粉餅として食べた。伝統行事も取り入れ、参加者同士の交流を図る工夫もした。
最終回では収穫して選別した大豆でみそを仕込んだ。ゆでた大豆に麹(こうじ)・塩を混ぜ、袋に入れ足で踏みつぶした後、丸めて容器の底に投げ入れ、空気を抜きながら詰めた。講座当日は節分で、原材料選別ではじいた豆を活用し、豆まきも行った。
柏市から参加した高橋律子さんは「大豆の種まきから収穫までを通して体験でき、子どもが小さいうちに一緒にできたことが貴重な経験だった。農薬や化学肥料を使わず栽培するという点もよかった。日本は食料自給率が低いので、もっと農業を応援していきたいと思った。毎回旬の野菜で作る昼食はとてもおいしく、町の自然や地域の人との交流も楽しめた」と講座を振り返る。
中地さんは「茨城町には涸沼や田畑があり、自然環境に恵まれている。参加者と同様に私も豊かさを体感できた。普段当たり前にある『食』や『農』のありがたみ、身近な幸せを感じられる機会を今後もつくっていきたい」と意気込む。