博報堂ブロックチェーンイニシアティブが12月19日・20日、M-WORK(水戸市南町1)で「コミュニティーとブロックチェーン」をテーマにした合宿を行った。
「コミュニティーとブロックチェーン」をテーマに議論するメンバー
同組織は、ブロックチェーン技術の活用やトークンコミュニティー形成に関連したビジネス・ソリューション開発を支援・推進する目的で今年9月に発足。企業との技術提携や共同研究などを進めている。水戸出身で、ボランタリーベースで茨城県庁や他市町村などにもアドバイスなどを行っている同社の加藤喬大(たかひろ)さんの実家が市内の酒蔵で、メンバー全員が合宿を通じて一体となってアイデアを考える環境があったことから水戸での開催を決めたという。
ブロックチェーンは、取引が記録されたデータを複数のネットワーク参加者が保有する非中央集権の分散型ネットワークシステム。仮想通貨開発の過程で生まれたもので、暗号化技術による改ざんや不正の難しさ、分散型による「安全性」などが新たな経済圏として注目されている。
合宿では、「仮に水戸の地域コミュニティーをターゲットとするとブロックチェーンを活用してどのようなことができるか」「地域コミュニティー系のサービスや、自治体によるICOの例を引きながら、どのように地方創生とブロックチェーンの親和性を捉えていくか」などを水戸・ひたちなかの企業経営陣と意見を交わしながら、議論を進めた。
合宿を終え、長縄雄一郎さんは「コミュニティーという言葉はある意味バズワードに近く、『スポーツファンクラブ』『町内会』『県人会』という具体的な言葉に落として始めて有意義な議論になっていくと感じた。人と人との温かみのある交流から生まれるコミュニティーを、ブロックチェーンという最先端な技術で、どうアップデートできるか、非常にチャレンジングな取り組みだと改めて思った」と振り返る。
伊藤佑介さんは「ブロックチェーンはサービスではなく、コミュニティーを作る・支える技術。その中で特に『地域コミュニティー』を重要視している」と話し、「提唱している『トークンコミュニティー』は、みんなが信じる価値を創造し、所有し、共有する、共通の価値観を持つ共同体という認識から生まれた言葉。ブロックチェーンで、経済価値にとどまらない人間の感謝や賞賛など、あらゆるものが価値交換に実装できると信じている。博報堂のフィロソフィーでもある『生活者発想』で生活者主導の社会にコミットし、生活者の真のパートナーになっていければ」とも。