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大洗にアニメ「ガルパン」元・宣伝プロデューサーが新会社設立 コワーキングスペース拠点に

「ARISE CO-WORKING」のパネルを手にした常盤さん(左)、廣岡さん(中央)、大里さん(右)

「ARISE CO-WORKING」のパネルを手にした常盤さん(左)、廣岡さん(中央)、大里さん(右)

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 大洗が舞台の人気アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)の元・宣伝プロデューサーの廣岡祐次さんが6月11日、大洗シーサイドステーション(大洗町港中央)で新会社「Hide&Rook」の設立記者会見を開いた。

会見で思いを口にする廣岡さん

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 廣岡さんは、千葉県出身。都内の映像・音楽ソフト会社に勤務していたが、立ち上げから関わってきたガルパンを通じ、出会った地域の人やコラボレーションの過程で「水戸ホーリーホック」のファンになったという。父の大病をきっかけに人生を見つめ直す中で、「大洗町」と「水戸ホーリーホック」への思いが深くなり、「令和の大洗町に民間の立場から、新風を巻き起こしたい」と今年3月にバンダイナムコアーツを退職。高校からの友人でディレクター兼システムエンジニアの利満久師(としみつひさし)さんと新会社を設立した。

 社名は、「Hide and seek=かくれんぼ」と「Rook=チェスのルーク」を掛け合わせた造語。「かくれんぼしている、町の良い所を見つけたい」との思いから名付けたという。

 当日は、ゲストに「Oaraiクリエイティブマネジメント」社長の常盤良彦さん、「大洗観光協会」会長で「割烹旅館 肴屋本店」代表の大里明さんを招いた。

 常盤さんは「起業の相談を受けたのは1年半前。チャレンジする人が大好きなので止めはしなかった。リスキーだとは思ったが、最終目標として永年ホーリーホックの応援をしていきたいという話を聞いて後押しするしかないと思った」と話す。

 大里さんは「起業の話を聞いて、最初は『大丈夫?』と思った。キャリアなど色々なものを投げ捨てて大洗に来るということで心配はあったが、同時に楽しみもあった」と振り返る。

 廣岡さんは6月13日、大洗町港中央にコワーキングスペース「ARISE CO-WORKING(アライズコワーキング)」もプレオープンする。敷地面積は40坪。席数は最大25席。Wi-fiやテレビ電話用モニター、ミーティングルーム、ロッカーを備える。

 廣岡さんは「ARISEは、大洗からさまざまなサービスが立ち上がる、という意味を込めた。海が見える環境でリラックスして仕事ができるのが魅力。会社の会議や学生のゼミ合宿などにも使ってほしい」と話す。11月には町の特産品や商店街にある商品などの販売や「遊び」「宿泊」「食事」などのパッケージングを発信するポータルサイト「ARISE GIFT(アライズギフト)」(仮)も開設する予定。「地元商店との新商品開発も行いたい」と意欲を見せる。

 大洗町役場・町づくり推進課の平沼健一さんは、「コワーキングスペースや地域の事業所と連携してくれるのはありがたいこと。連携していければ」期待を寄せる。

 利満さんは「4月から移住して大洗に住んでいる。自分のようなITの仕事やフリーランス、インドアな趣味であれば都内と生活は変わらないので、大洗とは相性が良いと感じている。大洗は、魅力のあるレジャーなどもたくさんある。利用者に複雑さを意識させない仕組みを作れればもっと魅力が伝わるはず」と話す。

 廣岡さんは、「この6年でガルパンをきっかけに移住した人が100人以上いると聞いた。潜在的な需要がまだまだある。私はこの町に魅せられて起業した。これまで幸せを届けてくれた大洗に恩返しがしたい。町が『生き続ける』ために、商店街という『文化』や新しい産業を育み、町の人とこの町を盛り上げる施策をやっていきたい」と意気込む。「大洗で貢献したい、何かしたいという方はコワーキングスペースを活用してほしい。大洗に新しい風を呼びたい」とも。

 コワーキングスペースの利用料金は、ドロップイン1時間=500円~。月会費1万円。

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