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茨城県近代美術館で「手塚治虫展」関東初上陸 茨城限定の展示も

「生誕90周年記念 手塚治虫展」の様子

「生誕90周年記念 手塚治虫展」の様子

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 「生誕90周年記念 手塚治虫展」が現在、茨城県近代美術館(水戸市千波町、TEL 029-243-5111)で開かれている。

「生誕90周年記念 手塚治虫展」の様子

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 同展は「手塚治虫生誕90周年記念事業」の一環で、関東では初開催。会場では、手塚治虫が漫画を描き始めたきっかけや医者の道ではなく漫画家を選んだ経緯など、手塚治虫自身の歴史を愛用品と共に紹介。映像資料や約15万枚の中から厳選した約300枚の原稿、原画、製作過程が分かるアイデアメモ、キャラクターデザイン、絵コンテ、修正の跡も見ることができる。

 手塚治虫は、生前「漫画やアニメーションの一つ一つの作品の中に読者へ伝えたいテーマを入れた」と話しており、伝えたかったメッセージの一部と作品の中でメッセージが描かれている場面の直筆原稿と並べ、手塚の言葉を視覚的にも分かりやすく展示している。

 「陽だまりの樹」は茨城会場のみの特別展示。同作品は、幕末を舞台に常陸府中藩(現在の茨城県石岡市)に関わる2人の青年を主人公に描いたもの。主人公の一人青年医師「手塚良庵」は実在した手塚の先祖がモデルとなっていて、連載当初は手塚治虫のルーツを描いたものとして話題となった。

 会場を訪れていた手塚の大ファンという水戸市在住の谷口みちえさんは「幼い頃から、ずっと漫画やアニメを見てきた。手塚治虫の作品は楽しさだけでなく、喜び、悲しみ、怒り、色々な感情にあふれ、自分自身大きな影響があった。大人になった今、改めて見ると更に深い意味が分かる。遠くまで行かなくてもこんな近い場所で原稿が見ることができて感動している」と目を輝かせていた。

 担当学芸員で同館美術課の井野功一さんは「手塚治虫の作品は、人間とロボットが存在する未来、LGBT、男子継承問題、正義とは、生きるとはなど、今の時代に直面している問題を何十年も前から投げ掛けている。手塚治虫の作品に込められるテーマに普遍性があるからこそ、いつの時代に触れても古くない。手塚治虫の作品をよく知る人は懐かしさを味わいに、あまり知らなかった人もこの展覧会が手塚ワールドの入り口になってくれたら」と来場を呼び掛ける。

 7月31日には、企画イベント「荒磯親方(第72代横綱稀勢の里)が語る 相撲人生とマンガの世界」を行う。観覧席申し込みは、総合受付、メール、ファクスで受け付ける。7月16日締切。

 開館時間は、9時30分~17時(入館16時30分まで)。月曜休館(祝日は翌日火曜)。入場料は、一般=980円、満70歳以上=490円、高大生=720円、小中生=360円。8月25日まで。

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