「茨城の地酒でセレモニー」が10月1日、水戸京成ホテル(水戸市三の丸)で開かれた。
茨城県酒造組合の担当者によると、「酒」という漢字の中に「酉」の字が使われ、「酉」は干支(えと)の10番目に当たることから、10月1日は「日本酒の日」とされている。
2015(平成27)年10月1日に始まり今年で5回目を迎える同イベント。消費者の酒のニーズの多様化、若者の酒離れなどを背景に日本酒消費量が1975(昭和40)年のピーク時と比べ、3分の1まで減少し、茨城県民の日本酒消費の中で茨城県産の日本酒が占める割合が15~16パーセントと低いことから、県内外に向けて茨城の日本酒の魅力をPRする機会として始まった。
5月の「全国新酒鑑評会」では、茨城県から過去最多の12蔵が金賞を受賞。各酒蔵の技術の高さが評価された。
イベント当日は、県内24蔵が一堂に集まり市町村別の特産品と共に自慢の日本酒のこだわりや飲み方などのアピールと提供を行った。そのほか、市場に出回らない鑑評会用に造った金賞受賞「出品酒」が並ぶ、特別試飲コーナーは多くの人でにぎわいを見せた。
セレモニーでは、地酒の普及と地域振興を目的にした「乾杯条例」を施行している県内10自治体の市長や町長、大井川和彦県知事の鏡開きと乾杯で始まった。東京の日本酒造組合中央会による「全国一斉乾杯」の号令で祝杯も上げられた。
来場者からは「普段飲むことができない珍しい酒や、知っていて興味があった酒、知らなかった酒をいろいろ少しずつ楽しめるのがいい」「直接蔵元に特徴や料理との相性などを聞いて自分好みのお酒を探したい」などの声が聞かれた。
会場では「全国きき酒選手権大会」も同時開催され、同じ組み合わせの地酒を当てる選手権では、水戸市在住の立原美智子さんが優勝に輝いた。立原さんは10月25日に東京で行われる全国大会への出場権を獲得した。