1日限定の「庭先カフェ」が11月16日、城里町古内地区のお茶生産者宅や古民家など8軒を会場に開かれた。
主催は、地域おこし団体「チャレンジしろさと」、「チャレンジいばらき県民運動」「筑波大学芸術系渡研究室」。地域のお茶生産者や住民らの協力を得て、昨年11月に試験実施。今年6月に続いて2回目。
同地区は茨城三大銘茶「古内茶」の産地。「チャレンジしろさと」代表の高萩和彦さんは「生産者の高齢化や後継者不足、地域の過疎化が進んでいた。お茶の生産地・静岡県大沢地区の『縁側カフェ』という取り組みを知り、城里町でもできないかと考えた」と言う。
イベントは、ありのままの古内地区を体感してもらい、景観の良さやおもてなしを楽しんでもらおうと企画。来場客は1軒当たり300円のお休み料を支払い、お茶や住民手作りのお茶請けの提供を受けた。初の試みとして、ベロタクシーも運行。五感で魅力を楽しめる仕組みを施した。
当日は、江戸時代中期(1661~1750年ごろ)に建てられた古民家で、国の登録有形文化財の「島家住宅」では、スウェーデン人の日本茶インストラクター「ブレケル・オスカル」さんの講演も開催。オスカルさんが日本茶の魅力について語ったほか、来場客のお茶に関する質問に答えるなど交流も見られた。水戸二高の学生による食に関する研究発表も行われた。
そのほか、県立水戸桜の牧高常北校、常磐大学の学生らも参加。共同開発した古内茶を使ったマドレーヌ風の焼き菓子「まちゃレーヌ」の販売も行った。
会場の1つ「むら工房」で、接客などを担当した水戸桜の牧高城北高2年の中澤眞哉さんは「自分は他の地域に住んでいるが、このような取り組みに参加することで知らないことが見えてきた。城里町は農園やブドウ園やあり自然豊か。田舎を知らない高校生にも、もっと関わってほしい」と話す。「地域の方や生産者と関わることで、高校以外の世界が広がるだけでなく、今後にもつながってくるはず」と笑顔を見せる。