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水戸ホーリーホック新体制発表 J1昇格へ「真っすぐ、正直に、愚直に」

「J1昇格」を目指す新体制の「水戸ホーリーホック」

「J1昇格」を目指す新体制の「水戸ホーリーホック」

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 サッカー・J2「水戸ホーリーホック」の新体制発表会見が1月12日、城里町の「アツマーレ」(城里町小勝)で行われた。

会場には800人が来場

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 会場には、サポーターら800人が来場。「水戸ホーリーホック」社長の沼田邦郎さんは、昨シーズンを振り返り「最終戦、残り10分の雰囲気が本当にうれしかった。(昇格とならず)皆さんの涙を見て、本当に悔しかったが、その涙が一人一人の次への思いに変わっていった。これも皆さんの応援のおかげ」と感謝するととともに、「プレーオフであと1点足らずに悔しい思いをした。非常に悔しかった」と何度も悔しさをにじませた。

 昨年12月に発表したスタジアム構想については「2008(平成20)年の就任時、スタジアムは妄想だった。昨年、『Jリーグでも一丁目一番地はスタジアムである』という夢を語らせていただいた。ここに来て多くの方が『水戸でやろうか』と手を上げてくれている」と現状を話す。沼田さんの「夢を語っていいですか?」という問い掛けには、会場からは大きな拍手が送られた。「どうせできないよ、ではなく『だったらこうしてみたら』と提案してもらえたら、きっとできるはず。言うことは実行していく」とも。

 今年のスローガンは「昂(こう)」。沼田さんは「まずはJ1に上がる。高い目標を持ち『あがる』『高い』の基本形。その思いをこの字に託した。11のゴールに向けて、失望することなく一体となる形で上りあげていければ」と話し、「ユニホームの柄・木賊縞(とくさじま)は、真っすぐに伸びるという意味。真っすぐ上がる、正直に上がる、愚直に上がる、そういった思いを込めた。このスローガンを背負い、2020シーズン戦っていく」と意気込む。

 GMの西村卓朗さんは「こんなに多くの方に来ていただけるとは思っていなかった。皆さんの期待の気持ちを感じ、背筋が伸びる思い。多くの選手スタッフの入れ替えがあったが、心強いメンバーに集まってもらった。愛着を持って、誇りを持って愛される、みなさまの生活に活力を与えられるチームをつくっていければ」と話した。

 当日は、廃校を活用した施設「アツマーレ」を生かし、「入学式」風の装飾と進行が行われた。新監督に、昨年までU-20日本代表コーチを務めた秋葉忠宏さんが就任。「J1昇格組担任を承ります秋葉です」との第一声には、大きな拍手が送られた。秋葉監督は「まだまだ小さな発展途上のクラブ。ロマンチストになるのか、リアリストになるのか、2020は分岐点となる非常に大事なシーズン。自分はこう見えてなかなかのロマンチスト。皆さんと夢の続きを見たい。皆さんの力を貸してください」と呼び掛けた。

 新加入選手は、それぞれ意気込み、セールスポイントと得意なポジションなどを発表。山口一真選手は「(鹿島では)サイドハーフをやっていた。個人的にはトップ下の選手だと思っている。常にゴールに関わり続けるプレーをしていきたい」と話し、牲川歩見(にえかわあゆみ)選手は「サイズを生かして、シュートストップやハイボールで水戸のゴールを守れれば」と話した。

 「今シーズンのチーム編成、補強についての感想」として、秋葉監督は「300点満点。最強の補強をしてもらった。高さやスピード、テクニックなどいろいろなタイプの選手を集めてもらった」と話し、「目指すサッカーは、自立したチームであり、選手。サッカーは相手のあるスポーツ。自分たちが率先して考えて判断して行動していくチーム・選手にしていきたい。ディフェンスなど良い所は継続しつつ、攻撃もブラッシュアップできれば」とも。フォトセッション後には、2019シーズン在籍選手がサプライズで登場。会場を沸かせた。

 新加入は1月12日現在、14人。住吉ジェラニレショーン選手(国士館大学、背番号2)、中山仁斗選手(ジュビロ磐田、同9)、奥田晃也選手(Y.S.C.C.横浜、同15)、河野諒祐選手(Y.S.C.C.横浜、同17)、牲川歩見選手(アスルクラロ沼津、同21)、平田海斗選手(水戸ホーリーホックユース、水戸啓明高校、同26)、松崎快選手(東洋大学、同27)。

 期限付き移籍は、前嶋洋太選手(横浜FC、同3)、山田康太選手(横浜F・マリノス、同7)、安東輝選手(松本山雅FC、同8)、山口一真選手(鹿島アントラーズ、同10)、山谷侑士選手(横浜F・マリノス、同16)、深堀隼平選手(名古屋グランパス、同18)、乾貴哉選手(ジェフユナイテッド千葉・市原、同28)。(名前の頭は背番号、カッコ内は前所属チーム)。2019年在籍の木村祐志選手は、10番から5番へ変更となる。

 「水戸ホーリーホック」ユースから史上7人目のトップチーム昇格を果たした平田海斗選手は「中学からユースに入り、初めはトップチームに入るのが当たり前だと思っていたが、挫折があった。高3の時、トップチームの同行でロッカールームなどを体験したことで、『トップチーム入りたい』という思いが強くなった。迷いが全くなかったわけではないが、トップチームで戦おうと決めた」と振り返る。

 「年長からお世話になった(群馬県の)監督が喜んでくれて自分もうれしくなった。3人兄弟で経済的にも大変な中、送り迎えなど、支えてくれた母にも感謝している」とはにかむ。「活躍することは大事だが、お金を払って見に来てくれるサポーターを楽しませることができる選手になりたい。ホーリーホックは、自分にとって人生の分岐点。(ホーリーホック の)魅力は、一体感とサポーターの距離感、みんなハードワークをするということ。早く試合に出られるように努力して結果を出していけたら」と意欲を見せる。

 J2リーグ2020シーズンは、2月23日に開幕。ケーズデンキスタジアムで大宮アルディージャと対戦する。

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