古川酒造店(大洗町磯浜町)で2月2日、「新春 餅つき大会」が行われた。
古川政吉が慶応年間(1865~1868年)に創業したと伝わる同酒造店。代表銘柄に、「松籟(ショウライ)」「黄門(コウモン)」などがある。同店では、代々酒造業をはじめ、蔵に増築したテラスで「清酒カクテル試飲会」を開くなど、清酒のイメージ変革に取り組んできたが、継ぎ手が途絶え1999(平成11)年に廃業。2017(平成29)年頃から親族内で「酒蔵を手放そうか」という話が出ていたが、2019年3月、6代目の姉に当たる髙林加代子さん、夫の敬治さん、娘の愛さん親子が、古川酒造店として再び経営を決めた。現在、「大洗ならではのクラフトビール」製造を目指し、研究や商品開発などを進めている。
同イベントは、「20年以上眠っていた蔵の再活用を模索するために、まずは存在を知ってもらおう」と企画した。当日は、県内外から100人以上が来場した。参加型の「餅つき」のほか、蔵探検、来場者からのコメントを元に展開したトークイベント「蔵の『syourai』を語ろう!」、酒蔵をステージにアーティスト「ローズ隊長と美樹隊員」と「日々かりめろ」が演奏を披露した。
愛さんは「開催してよかった。こんなにたくさんの人が来てくれるとは思っていなかった。地域の方々も応援してくれて本当にありがたい。来場した方から『古いまま残っていてすごい』という声もある。酒蔵発のクラフトビール製造はもちろん、今後もこのようなイベントや展示会、ライブ、持ち込み企画など蔵を活用した地域のコミュニティーとしていければ」と意欲を見せる。