「水戸市平和記念館」(水戸市三の丸、TEL 029-291-3846)が2月1日、開館10周年を記念し、リニューアルオープンした。
同館は、水戸市政120周年事業の一環として既存の市民ギャラリーを改装し、2009(平成21)年にオープン。水戸市立博物館などで行われていた「戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える展示」を「常設展示で後世に伝えてほしい」という市民の声に応える。
今年は戦後75年、水戸市政130周年という節目のため、館内の展示方法を新しく変えることにしたという。英語のキャプションを付け、古くなって見づらくなった写真を鮮やかに復元して見やすくしたほか、「第1章 戦争へ突入する日本」「第2章 戦争中の水戸のまちと人々のくらし」「第3章 水戸空襲」「第4章 戦後復興する水戸のまち」「第5章 未来へ伝える」という5つのカテゴリーに分類。展示品と写真、資料パネルを並列展示して分かりやすくした。
「第3章 水戸空襲」で紹介されている、茨城トヨタ自動車提供の「機銃掃射痕のある鉄柱」は、戦後に水戸市城東の日本専売公社水戸工場から移築された工場建屋で発見された「太平洋戦争中に米軍のグラマン機から受けた機銃掃射の痕」が残っており、目玉の展示物になっている。
同館担当者の吉田勲さんは「戦争中は、何が本当かを分からない人がたくさんいた。実際に戦争を経験した人がだんだん少なくなっていく中で、記憶を記録に残して後世に伝えていかなければならない。ここを訪れることで、戦争の歴史の真実を学ぶ機会となってほしい」と話す。
水戸市文化交流課の清水加菜子さんは「身長130センチの小学3年生を想定して作った子ども用の防空頭巾を実際にかぶることができる『自由に触れる展示物』などは新たな試み。3階では、戦争を実際に体験した人による『語り部』の映像を見ることもできる。小学生や中学生にも戦争の悲惨さ、平和がどんなに尊いことなのか考え、感じてもらいたい」と話す。
開館時間は10時~16時。火曜・水曜休館。入場無料。