茨城県を拠点に活動するアコースティックユニット「日々かりめろ」が5月24日、無観客スタジオ配信ライブ「配信の日々」を開く。
同ユニットは、石岡市出身のこずえ(高田梢枝)さんと常陸太田市出身のきくP(菊池一俊)さんが2016(平成28)年10月に結成。「自分たちの音楽を直接聴いてもらい、CDを直接買ってもらうことが応援してくれるファンを増やし、そのファンに直接感謝を伝えることができる唯一の方法」と、手売り、手渡し販売にこだわり、毎年1枚ペースのアルバムリリースと全国ツアーを行っている。
新型コロナウイルスの影響で、3月以降、予定していたショッピングモールやCDショップのインストアライブは全て中止。4月からはライブハウスなども休業となり、表立った活動ができない状態が続いている。
当日は、ユーチューブの「日々かりめろチャンネル」でライブを配信。投げ銭システムも導入する。
きくPさんは「これまでの活動で得ていた収入は途絶えた。4月はイベントがたくさんあったが、全て中止になった。出演料もキャンセル料ももらえない」と現状を話す。「『日々かりめろ』としての収入は、4月末に発売したコンサートDVDの売り上げくらい。自粛の解禁まで引きこもることで支出を抑えている」という。
配信ライブは、4月上旬、ひたちなか市を中心に音楽イベント「ごじゃっぺ音楽祭」を開いている主催のフナバシケンイチさんから誘いを受けたのがきっかけ。きくPさんは「ライブハウスだけでなく、イベントでお世話になっている音響さんや映画を一緒に作った映像制作の仲間も助けたいと配信ライブを企画した」と話す。
「正直なところ、配信に対してあまり良い印象を持っておらず、最初はあまり乗り気ではなかった」と、きくPさん。「実際にやってみるとファンには予想外に喜ばれた。自粛で自宅に居る時間が多いこともあり、配信でも自宅でライブを楽しめることがうれしいと言ってもらえた。遠方のファンの皆さんもたくさん見てくれるので、今ではありがたいツールだなと思っている」と話す。
現在、自主企画のほか、全国各地の「ライブハウス支援企画」などにも出演。緊急事態宣言解除後は、延期になった県内CDショップのインストアライブを再開する予定という。
きくPさんは「まだ先が分からない状況だが、分からないから何もしないというのは自分達らしくないと思うので、とにかく先の予定を組んでいる。12月の東京ビッグサイトでのコンサートチケットも早めに発売開始して、足止めされた3カ月を少しでも取り返したい。この活動自粛の期間で曲がたくさんできたので、来年の初めにはまたアルバムを出せるように頑張る」と意気込む。
こずえさんは「私たちも、今は活動をほぼ休止状態にして活動再開の日を待っている。私たちの活動をいつも支えてくれている音響スタッフや映像スタッフに支えてもらって皆さんに配信を届けることができている。私たちだけではなく、ライブハウスも、イベント屋さんも、映像屋さんも、エンターテインメント業界は本当に大変な時で、皆さんの支えが必要。元気に笑顔で再会できるように、ぜひ力を貸していただきたい。私たちも画面の向こうで皆さんに精一杯お届けする」と呼び掛ける。
開催時間は15時~17時。