![アマビエのぬり絵を手にほほ笑む坂本さん](https://images.keizai.biz/mito_keizai/headline/1591790296_photo.jpg)
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休館していた水戸市立博物館(水戸市大町)が6月13日、再開する。
13日から、自然、民俗、歴史、美術の全4部門で常設展を始める。新型コロナウイルスの影響により、年間のスケジュールを変更。民俗部門では、テーマを「妖怪(つくも神)」とした。
同館では2013(平成25)年から、「妖怪」をテーマにした特別展を開催。所蔵する古い道具類を「つくも神」に見立て、ほうきやザルが空中を飛んだり跳ねたり、躍動感ある展示に仕上げている。今回、これまで特別展として開催していた内容を常設展とし、デフォルメされた百鬼夜行の絵巻物と楽器、家財道具、調理用品などを共に並べる。
民俗部門で、展示企画を手掛けた坂本京子さんは「新型コロナの影響で、世の中全体が思い雰囲気になってしまった。ユーモラスな妖怪の展示でクスッと笑って少しでも気持ちが晴れやかになってもらえたら」と笑顔を見せる。「妖怪もかわいらしくデフォルメした。百鬼夜行は、打ち捨てられた道具が深夜に徘徊(はいかい)し、人間に何かするわけでもなく朝になったら道具に戻る、ユーモアのある存在。小さなお子さんにも楽しんでいただけたら」と話す。
今回、疫病退散として全国各地でモチーフとなっている妖怪アマビエにも着目。水戸市内在住の編みぐるみ作家の阿部由美さんに制作を依頼。「疫病退散」と「アマビエパンチ!」の2種類のぬり絵の配布と「アマビエ」の編みぐるみ展示も行う。
坂本さんは「妖怪パワーで、新型コロナウイルスを強烈パンチで吹き飛ばしてほしい。『気は心』というもの。展示を見て、笑って楽しんでもらうことで気持ちも晴れやかになってもらえたら」とほほ笑む。「新型コロナの収束を祈りながら、博物館の新たな常設展の展示をお楽しみいただけたら」とも。
開館時間は9時30分~16時45分。月曜休館。常設展・企画展は入場無料。