ひたちなかのタコ加工会社・小沼源七商店(ひたちなか市平磯)が7月23日、同社敷地で熊本災害支援販売会を開いた。
1890(明治23)年創業の同社。熊本県出身の社員・桐原奈緒子さんらが中心となり令和2年7月豪雨で被害の大きかった熊本の支援のため、特産品の販売売上金を全額寄付しようと企画した。
海外の販売会などで縁のあった茨城県内事業者に呼び掛け、10社の協力を得た。支援者がお金を寄付するだけでなく楽しめるようにしたいと茨城県内の特産品5,000円相当の詰め合わせセットを3,000円で販売。セットは、同社の冷凍したタコ足をはじめ、金砂郷食品の納豆、小松水産食品のシラス、柴沼醤油(しょうゆ)のドレッシングなど100セットを用意。雨の中、近隣住民を中心に途切れることなく来場があり、商品は販売開始から約1時間半で完売した。売り上げ30万円は全額、熊本県のYMCAを通じて寄付する。
当日は、土浦日本大学中等教育学校の生徒や熊本大学に留学経験のあるフランス人のパトリス・セバティアーノさんもボランティアに参加。販売の呼び込みや駐車場案内、販売商品の運搬などを行った。土浦日本大学中等教育学校6年の酒井明日香さんは「SNSでの発信で販売会に来てくれる人もいた。復興支援を通して、チャリティー精神も伝えることができたら」と話し、パトリスさんは「熊本市はとても好きなまち。被害のあった熊本のために手伝いたいと参加した」と話す。
同社の小沼社長が家族と共に熊本県で開催された勉強会に参加したことから知り合い、昨年9月に移住してきたという桐原さん。「今日の販売会も、知り合いが知り合いを呼ぶというような縁や、これまでの出会いでつながっている。それぞれの会社も新型コロナによる影響もあるにもかかわらず、二つ返事で協力してくれた。たくさんの人の積み重なったこの気持ちを一人でも多くの人に届けることができたら」と期待を寄せる。