茨城大学が9月29日、対面授業を再開し、学生のキャンパス利用制限も一部緩和した。
同大では4月から、新型コロナウイルス感染症対策として、前学期と夏季休業期間中はオンラインで遠隔授業を行い、キャンパスへの無用の立ち入りを制限していた。後学期開始となる9月29日からは遠隔授業に加え、対面授業を再開し、感染症対策を講じた上でのキャンパスへの立ち入りが可能となった。
入構制限を一部緩和した後の1週間は、正門付近にテントを設置し、カードリーダーに学生証をかざすことを学生に求めたほか、曜日や時間帯ごとに入構する学生の数も計測した。キャンパス内に初めて入構する1年生を迎える看板やフラッグに加え、「新しいキャンパスライフを前向きにつくっていこう」というコンセプトの「IBADAI new STANDARD」の文字も見られた。
構内には、1年生向けにサークルや部活動などの課外活動の紹介用ポスターを展示する特設コーナーを設けたほか、10月19日からキャンパス内での課外活動も再開予定で、事前に新型コロナウイルス感染症に関する研修会を受講した団体の活動も再開を予定する。
茨城大学人文社会科学部1年生の野呂永剛さんは「大学再開後、初めて受講した対面授業はゼミ。それまではずっとオンラインで行われていたので、実際のゼミのメンバーとの初顔合わせでは、授業の前後でお互いに印象的だったことが話題になり会話が弾んだ」と話す。
茨城大学人文社会科学部3年生の軍司真奈さんは「前期の授業は全面オンラインで、部屋でパソコンと向き合い続ける日々が続き、ストレスを感じていた。オンラインだからこそ身についた力もあるが、コミュニケーションを通じた対面だからこその学びもあるのでうれしい」と話す。「前期は友人と会うことが難しく、久しぶりに直接話すことができてうれしかった。対面の授業が許された分、責任感を持って生活していきたい」とも。
茨城大学広報室の山崎一希さんは「ほかの学生や教職員とじかに会って議論や交流をすることや、部活やサークル活動を楽しむというのが大学の醍醐味(だいごみ)」と笑顔を見せる。「大学生は行動範囲も広く、自分だけでなく周りの人にも感染を広げてしまう可能性が高いといえる。キャンパスライフもまだまだ制限が多く、学生の皆さんには不便や不満もあると思うが、各自が感染症そのものや対策についての知識と意識を高めながら、力を合わせて、一歩一歩着実に活動を再開していけたら」と意気込む。