着物ドレスアーティストでドレスデザイナーの川澄信子さんが制作した着物ドレス「川澄ノブコの世界ー夢路ー」の展示が12月15日、茨城県立歴史館(水戸市緑町)ロビーで始まった。
川澄さんは鉾田市出身。文化服装学院卒業後、東京の大手アパレルメーカーに勤務後独立し、アトリエ「ウエディング・マリア」を出店した。オリジナルのウエディングドレスなどを手掛ける。
2012(平成24)年、東京都美術館で開催された「ベラドンナ・アート展」で全国公募の女性アーティスト作品の中から大賞に選出されるほか、ファッションアナリストとしての講演や骨格診断、パーソナルカラーを取り入れたファッションアドバイスなど幅広く活動している。
同展示では、大正時代から昭和初期に着用された着物を素材に、当時の社会的背景と現代社会の対比から発想を得た着物ドレス1着を展示。作品名に「夢路」と名付けた。川澄さんは「今年はコロナウイルスの脅威に翻弄(ほんろう)された年だった」と振り返る。
制作には約3カ月を掛けた。着物ドレスは、上半身のバラのような花びらが天に向かって広がり、地球をイメージした下半身の緑の膨らみは、実が熟して割れるザクロのように、何かしらのエネルギーに耐えかねて新しい生命体が生まれるイメージを具現化したという。レースはそれぞれ染め上げたほか、ビーズは一つ一つ手縫い。下半身の緑の膨らみにはワイヤを入れ、自由な動きが付けられるようにした。裾に向かって広がる布地には、ドレス生地のシフォンなどを使い、着物は50以上のパーツに分け、和と洋を融合させた。
川澄さんは「コロナ禍の冬を迎える中で、展示を通して少しでも明るいパワーをお届けできれば」とほほ笑む。
開館時間は9時30分~17時。(入館は16時30分まで)