弘道館と偕楽園を水戸藩第9代藩主の徳川斉昭と共に紹介する企画展「徳川斉昭と弘道館・偕楽園」が現在、茨城県立歴史館(水戸市緑町)で開かれている。
展示では、水戸藩9代藩主徳川斉昭によって創設され、日本遺産にも認定された弘道館と偕楽園について紹介。斉昭が構想した偕楽園を描いた「偕楽園図」や、斉昭の狩りの様子を描いた「追鳥狩図屏風(おいとりがりずびょうぶ)」など関係史料約60点を展示する。
「斉昭自作神主図」も初公開。基壇の神主には「国民と偕にたのしむこゞろか那(な) 今をむかしに 忍ふ世まても」「さかりなる 桜ハちるとも かくわしき にほひを世々に ととめさらめや」の2首が刻まれている。
同館歴史資料課特任研究員の永井博さんは「斉昭が亡くなってからも心は国民と共にあるという思いや、偕楽園に通ずる偕楽の精神が込められている」と話す。「下書きの偕楽園図では、四季折々の情景が表現されている。自然あふれる場所で楽しむという、斉昭の先見性も感じることができる」とも。
斉昭本人による直筆書も3点展示する。斉昭の改革の目標を示すものや、斉昭が水戸に送って教育していた子息たちの教育方針について細かく指示する書状もある。「今年は、斉昭がNHK大河ドラマに登場する。
永井さんは「展示を通して、斉昭の人柄や取り組んだ事業、書道家としての一面を知ってもらえたら」と呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。一般=350円、大学生=180円、満70歳以上=170円、高校生以下無料。1月3日、17日、24日、31日は同館による展示解説がある。展示は1月31日まで。