アクアワールド茨城県大洗水族館が3月5日、大洗町内の中学生を迎え、2時間限定の水族館貸し切り営業を行った。
営業時間前の8時~10時の2時間、同館を貸し切りとした。コロナ禍で、修学旅行や校外学習が中止となったまま卒業を迎える生徒の「思い出づくり」として企画した。同館が貸し切りを行うのは初めて。大洗町立第一中学校と南中学校の3年生129人が参加した。
当日は、館内4カ所にモニターを設置。各校の教諭や後輩からのメッセージ動画や3年間の思い出をまとめた映像を流した。
同館スタッフの案内によるバックヤード見学のほか、「アクアウォッチング」では、茨城県沖の海を再現した「出会いの海の水槽」でダイバーが持つカメラの映像をモニターに映しながら水槽内の生き物の生態や名前の由来などの紹介も行った。ダイバーが水槽の中から生徒を映す演出も行われ、生徒からは喜びの声が上がった。
アシカとイルカがパフォーマンスを行う「オーシャンライブ」では、当日限定の演出として、教諭と生徒がイルカのハンドサイン体験も実施。アシカのゴエモンは、口にくわえた筆で「祝」の文字を書き、中学生らの門出を祝った。
南中3年の佐藤弘亮さんは「こうして卒業遠足ができてよかった。本当にうれしい」と話す。清水嵩牙さんは「普段見学できないバックヤード見学では、学校の授業の中で動物の体の仕組みなどを学んでいたので、より深みが増した。リニューアル後に来ていなかったので、クラゲの水槽が印象的だった」と話す。
同3年の山田翔互さんは「さまざまなイベントが無くなってしまった中で、こうして卒業遠足ができてうれしい。先生たちにもありがとうという感謝の気持ちでいっぱい」とはにかむ。同3年の保月波琉さんは「このメンバーでの思い出づくりもこれが最後。この卒業遠足の思い出を胸に、これから新しい出会いも楽しめたら」と笑顔を見せる。