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城里町の古民家「島家住宅」で「薫蒸」 かやぶき屋根保護

白煙でかやぶきを燻(いぶ)す「薫蒸」

白煙でかやぶきを燻(いぶ)す「薫蒸」

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 茨城県城里町にある古民家「島家住宅」で4月9日、かやぶき屋根を保護するためにかまどの火をたく「薫蒸(くんじょう)」が行われた。

保護活動を行う古内地区地域協議会の加藤裕章会長と城里町地域おこし協力隊の坂本裕二さん

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 島家住宅は江戸中期(1661年~1750年)に建設され、江戸末期(1830年~1867年)に改造された建築面積は165平方メートルの木造平屋民家。

 生活の中心である「おもや」と「かまや」と呼ばれる母屋とは別棟に設けられた炊事専用の小屋を持つ「分棟型民家」の系統にあると見られる曲屋風の民家。2002(平成14)年8月に国の登録有形文化財に指定された。

 この日は、古内地区地域協議会の加藤裕章会長と城里町地域おこし協力隊の坂本裕二さんをはじめ、かすみがうら市で解体予定だったかやぶき古民家「中隠居(なかいんきょ)」の再生に取り組む関宏幸さんらが参加。10時~20時までの10時間、土間に2基あるかまどに火入れを行い、かやぶき屋根を油煙で覆い保護する「薫蒸(くんじょう)」を行った。

 「薫蒸」は、屋内で燃やした木や枝の煙から出るタールの成分が、防虫・防水の役割を果たすかやぶきや建物を保護する作業。約3年前から、前任の地域おこし協力隊が始め、現在、月に1~2回、加藤さんと坂本さんが古民家の掃除や庭木の剪定(せんてい)と並行して活動を続けている。

 薫蒸の日は、島家住宅を開放。坂本さんは「掃除や剪定などを手伝っても良いし、まきをくべてただ火を眺めるだけでも、ボーッと時間を過ごしても良い。この雰囲気やここにしかない出合いを楽しんでいただければ」と参加を呼び掛ける。

 薫蒸の実施日は城里町地域おこし協力隊公式ウェブサイトやSNSで公開する。

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