見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

水戸ホーリーホック、コロナ禍に過去最高益達成 役員人事も一新

第25回定時株主総会後に記者会見に臨む小島耕社長

第25回定時株主総会後に記者会見に臨む小島耕社長

  • 13

  •  

 サッカーJ2・水戸ホーリーホック運営会社の「フットボールクラブ水戸ホーリーホック」が4月22日、第25回定時株主総会を開いた。

[広告]

 同社の小島耕社長によると、新型コロナウイルスの影響を受ける中でも、広告料収入、物品販売収入、ファンクラブ収入の増加で営業収入が前期比1.29%増の7億6200万円という過去最高益を計上したという。

 2020年2月1日から2021年年1月31日までの第25期では、コロナ禍による入場料収入やアカデミー収入が大きく落ち込んだものの、広告料収入が前期比12.13%増の2億9100万円、物品販売収入が前期比13.35%増の7900万円、ファンクラブ収入が前期比115.50%増の1500万円、クラウドファンディングでの収入2400万円を計上。営業収入を伸ばした主な要因として分析する。

 小島社長は会見で「正直、クラブ存続の危機もあった。7月に(自分が)社長に就任し、第三者割当増資を含めて経営基盤を強くする作業を続け、新たに23先1億9400万円の新規割り当てとなり、経営的にもピンチを脱することができた」と振り返る。

 小島社長は「過去最高の売り上げは多くのファン・サポーター、株式パートナーの支えによって達成できた数字」と感謝をにじませる。

 同社では、コロナ禍に複業人材の積極的登用などを行っている。物販関連費増の背景には、これまで、兼任業務となっていた業務を専任とすることによりEC事業やSNSを活用した施策に注力できたことなどがあるという。

 営業費用は、チーム人件費や試合関連経費、広告宣伝費、物販関連費増などから、前期比6.31%増の7億9100円、営業損失は2900万円、当期純損失は2700万円を計上。公式戦中断後の着地見込みからは大幅に赤字額を圧縮することができたという。

 同社では、ケーズホールディングス、アダストリア、小野写真館、アプリシエイト、力こぶホールディングスなどによる第三者割当増資により、純資産は前期比1億6800万円増の2億900万円と大きく数字を伸ばした。

 今期は営業収入8億300万円、営業費用8億6000万円、当期純損失5900万円の予算を見込む。前期から公開した数値目標を示す「11のゴール」も新たに設定。

 今期の「11のゴール」は、総売り上げ8億円、入場者平均3500人、有料入場者割合80%、シーズンシート販売数1030席、広告料収入3億円、オフィシャルパートナー社数186社、グッズ売り上げ1.02億円、ユニホーム販売枚数2000枚、サポーターズクラブ会員数2700人、スクール会員数500人、JリーグID登録者数2万人。昨シーズンの達成は2項目だった。小島社長は「今シーズンは全項目を達成できるよう、関わる全員が高い意識をもってまい進していく」と話す。

 会見では、以前から進めている新スタジアム構想についても触れ、現在は建設用地選定と基本計画・コンセプトの策定を行っていると発表。小島社長は「民設民営の施設として、候補地の調査などを含め、着実に進んでいる」と説明した。

 役員人事では、常勤取締役に西村卓朗GM(兼任)、非常勤取締役に小野写真館の小野哲人社長、茨城交通の遠藤隆光常務取締役、アプリシエイトの和田幸哉社長が選任された。3人の取締役が再任、4人の取締役が新任、今回退任する取締役及び監査役を退任する5人は参与として、今後もクラブ経営に携わる。

 取締役で沼田邦郎前社長は「フットボールクラブ水戸ホーリーホック」会長、一般社団法人ホーリーホックIBARAKIクラブ代表理事となっている。

 小島社長は「新任の役員は、事業規模を上げていく、経営に力を入れてくれる存在。経営改革のスピードが上がるのでは」と期待を寄せる。

 昨年設定した水戸ホーリーホックのブランドプロミスは「新しい原風景をこの街に」。「多くの皆さまの原風景に水戸ホーリーホックが存在するようになること」を掲げる。

 小島社長は「皆さまのご支援によって活動できることに深く感謝しながら、今を、未来を、その先を見据えてこの地域のために価値を最大化し、新しいことにスピード感を持って果敢にチャレンジしていく」と意気込む。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース