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水戸の明利酒類、医薬部外品製造に向け工場整備

公開された本社工場の一部

公開された本社工場の一部

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 酒造会社「明利酒類」(水戸市元吉田町)が5月20日、医薬部外品製造に向け整備を進めている本社工場の一部を公開した。

公開された工場設備の一部

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 明利酒類は昨年3月、新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国に先駆けて醸造技術を転用したアルコール製剤「メイリの65」の販売を開始。4月中旬には、緊急事態宣言の最中、経産省から免許を取得し、翌5月には大容量のアルコール製剤「MEIRIの除菌 MM-65」の製造販売を始めた。

 同社は昨年11月、経産省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」補助事業者に採択され、医薬部外品である手指消毒液の製造に向けた工場の整備を進めてきた。

 この日は、5月31日の設備搬入完了に先駆け一部エリアを公開した。アルコール製剤や調味料を製造していた本社工場エリアに導入した、衛生環境整備と充填(じゅうてん)機、純水製造装置などの設備機器を披露した。

 現在工事中の調合室が完成次第、県や厚労省の許可などの手続きを進め、正式稼働を目指す。有効成分「ベンザルコニウム塩化物」を含む、手指消毒用医薬部外品「みんなの消毒」として、月間最大19万2000リットルの製造を予定する。これまでの取引先のほか、新たに病院・医療施設に提供し売り上げの3割確保を目指すという。

 同社医薬部外品事業チームプロジェクトリーダーの山中隆央さんは「酒を扱う会社だからこそ、安定的かつ安価に取り扱えるアルコールと水にこだわっている。ラベルなどのデザインでも、これから明利酒類がどういう立ち位置に行くのかという思いも込められている」と話す。

 社長室長の加藤喬大さんは「昨年5月に始まった医薬部外品製造への転換という構想から1年。一丸となって進めてきた集大成となる」と振り返る。「ここが明利酒類のターニングポイント。消毒はインフラになる。『総合酒類メーカー』から『総合アルコールカンパニー』として、地域のインフラを担える企業になりたい」と意気込む。

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