大学生とスーパーが共同開発した商品の販売が6月19日、茨城県内で始まった。
商品を開発したのは、常磐大学人間科学部健康栄養学科・飯村裕子ゼミの学生と「ヨークベニマル」(福島県郡山市)。共同で、茨城県の地魚を使う商品2種類を開発した。
開発は、茨城県の地魚の認知度向上と消費拡大を目的に「いばらきの地魚取扱店認証委員会」と常磐大学が取り組む「いばらきの地魚プロジェクト」の一環。「若者の魚離れ解消」をテーマに昨年9月から取り組みを進めている。
ヨークベニマル鮮魚部関東エリアマーチャンダイザーの熊谷正さんによると、同社茨城エリアでの大学生との共同開発は初めて。「当初、商品化は1種類だけの予定だったが、甲乙付けがたいと、2種類の販売に決まった」と話す。
新たに開発した商品には、サバでは全国トップクラスの漁獲量があるという茨城県沖のサバを使用。カレー味の「IBRAKI SABA CURRY(イバラキサバカレー)」とトマト味の「IBRAKI SABA TOMOTO(イバラキサバトマト)」(各321円)の2種類を用意する。賞味期限は製造日から6カ月。内容量は小切れ4切。缶詰ではなくレトルトパックとし、温めるだけで簡単な調理で手軽に味わうことができるのが特長という。店頭に設置するアレンジレシピのポップも制作した。
レシピは、飯村ゼミナールに所属する3・4年生7人が考案。パッケージデザイン、キャッチコピーまで手掛けた。熊谷さんは「味付けはもちろん、これまで当社が取り扱ったことがないようなデザイン。若者ならではの感性が生きている」と太鼓判を押す。
6月19日には、ヨークベニマル水戸元吉田店で販売開始イベントを開いた。学生らが来店客に商品をPRしたほか、小分けにした試食用パックも配布した。2品とも手に取った4歳と2歳の子どもを持つ母親は「子どもが魚好きなので購入した。手軽に食べられるのがありがたい」と話した。
健康栄養学科4年の宮部真弥さんは「カレー味は、老若男女が楽しめるよう塩分量を減らし、スパイスで味を調整するなど工夫した。温めずにそのままでもご飯に乗せて食べることもでき男子学生も満足できるはず」と話し、「トマト味は、お子さんでも食べやすい。臭みもないので、ぜひたくさんの人に食べてもらいたい」と呼び掛ける。
指導した飯村裕子助教は「パッケージデザイン、商品名、食べ方など最初から最後まで携わることができたのは、学生にとって大変良い機会だった。今後も新たな魚で展開できれば」と話す。
販売場所は県内のヨークベニマル41店舗(中郷店、大津店を除く)。通年販売を予定する。