茨城県内でいすゞのトラック・バス販売、アフターメンテナンスを手がける「茨城いすゞ自動車(水戸市五軒町)」が人材紹介事業「CRAN(クラン)」を始め、7月に4カ月を迎える。
同事業では企業の採用支援や転職を希望する個人向けのキャリア相談を通して、地域企業と個人のマッチングを図る。人材紹介によって地域企業の経営課題や人材不足の課題解決に貢献するのが狙いだ。
同事業立ち上げのきっかけについて茨城いすゞ専務兼CRANカンパニー長の豊崎悟さんは「超少子高齢化、人口減少社会の中、多くの経営者に共通する悩みは『人と組織』だと気付いた。採用や組織がうまくいくと取り組めることも増えていくため、地域企業に対してサポートできることをしていきたい」と話す。
立ち上げメンバー5人のうち、元から茨城いすゞの社員だったのは2人のみ。同事業立ち上げを機に、小野瀬自動車の社長を含む3人が新たに参画した。小野瀬自動車社長兼CRANエグゼクティブコンサルタントの小野瀬征也(ゆきや)さんは参画の経緯について、「豊崎さんと4、5年前から人で地域を元気にしていきたいと話していた。小野瀬自動車でもこのような事業をやりたいと考えていたが、一人では難しく、同じビジョンを持っているなら一緒にやり、かつ早い方が地域のためになると考えた」と話す。
CRANリクルーティングアドバイザーで人力車の車夫としても活動する豊川麟太郎さんは「転職を希望する人が面談などを通して思いを話すことで本当にやりたいことがはっきりしていく。ご縁を結べるように責任感を強く感じている」と話す。同アドバイザーの鳥羽和樹さんは「新しいことにチャレンジしたい人と、進化したい企業の過程に関わり貢献できることが楽しい」と笑顔を見せる。
現在の取引先は企業約30社と転職を希望する個人約70人。豊崎さんによると、取引先企業の多くが茨城県内に本社や拠点のある企業という。
CRANリクルーティングアドバイザーの三上陽香さんは「過去に相談を受けた方が茨城で働きたくても求める仕事の企業が紹介できず、県外で働くことがあった。より多くの企業とつながって支援できる幅を広げ、要望に合わせた形で縁をつないでいきたい」と話す。
豊崎さんは「今後は、地域発の事業だからこそ地域の人や組織を支援できるようにしていきたい。まずは地域支援ができる組織として一番になりたい。人材紹介は一つの手段。地域やお客さまに対してできることがあれば人材紹介に限らず新しいサービスをつくっていきたい」と意気込む。