東京芸術大学のアーティストチーム「DOOR(Diversity on the Arts project)」によるアートプロジェクトの一環で10月29日、企画展「小さな悩み、はじめました。」が水戸駅ビルエクセルみなみ3階のレストスペースなどで始まった。主催は水戸商工会議所。
わざわざ人に話すほどでもない「小さな悩み」と、いつの間にか入っている「スマホの中の意味のない写真」をつなぎ合わせて社会に発信し、どんなに小さな悩みでも話しやすい世の中を目指す同プロジェクト。
同展は、アートによる街の活性化に取り組む「水戸商工会議所カルチャー&スポーツ創造委員会」と水戸芸術館が連携して発行した、水戸のさまざまな「文化」を鑑賞・体験する100のプログラムを掲載したガイドブック「ReMIO100」の続編制作のプレ企画。同館と親交のある現代アーティストで同大の日比野克彦学長と、同委員会の神尾圭太郎委員長が発案。同大の協力を得て開催にこぎ着けた。
会場では、DOORが発表した作品や市民から寄せられた「小さな悩み」を展示。水戸芸術館内のサザコーヒー隣では映像展示を行う。会場を2カ所に分けることで、市内の回遊、活性化につなげるのが狙いだという。
作品には「体育が苦手なので、授業があまり楽しくない」(小学生)、「動悸(どうき)とトキメキの区別がつかない」(50代個人事業主)など、幅広い世代の悩みや、クスッと笑える悩みなどを「スマホの中の意味のない写真」と併せて展示。現在、「小さな悩み」を会場と水戸商工会議所の特設フォームで募っており、集まった「小さな悩み」は会期中に展示する。
「腕が長いのでいつもシャツの袖が足りない」ことが悩みだという、同会議所の黒澤優希さんは「誰でも持っている小さな悩み。自分の内だけに秘めているものいいが、この機会に外の皆さんとも共有してみては。そこには共感はもちろん、意外な面白さもある。展示会場とウェブで小さな悩みも募集しているので投稿いただけたら」と呼びかける。
11月30日まで。