5月24日で4周年を迎えた「パティスリー志粋(しすい)」(茨城町大戸)が店舗改修工事を終え、6月13日、営業を再開した。
オーナーパティシエの原田良介さんは大洗町出身。子どもの頃からお菓子作りが好きで、高校は食品化学科に進んで学び、卒業後は都内の老舗洋菓子店シェルボンほかで修業。2019年に茨城町の住宅街の中に自身の店を構えた。
同店のこだわりは、昔ながらの生クリーム。乳脂肪分が高いが、「さっぱりしていてクセがない」のが特徴。ピューレは全て自家製を用意しているという。
人気商品は、県外からも手土産にと買い求める客がいるという「ロールケーキ」(1,750円)。生クリームに栗のペーストを加えてコクを出し、卵黄を多めに使った生地と合わせている。小麦を使わずに作っている「熟ショコラ」(430円)は、「ガトーショコラとテリーヌショコラの間ぐらい」の食感。「レアチーズケーキ」(400円)はチーズの風味をしっかり残しつつ、空気を「ぎりぎりの量まで」含ませて軽い食感に仕上げている。「玄米クッキー」(150円)は、玄米をケーキの窯でいぶして香ばしくし、異なる大きさの粒子にして混ぜて焼くことで、食感に変化をつけている。
創業後、コロナ禍で半年ほど店を閉めた。当時はステイホームが常態化し、家の中で快適に過ごすために「巣ごもり需要」があったが、同店は住宅街の中に立地しているため、来店客が多数訪れると近隣の住民が不安に感じるのではないかと考え、休業を決断したという。
原田さんは「再開した時、常連さんが温かく迎えてくれ、『ずっと待っていたよ』と声をかけられうれしかった」と当時を振り返る。
店名は「粋なお菓子作りを志す」という思いから、「志粋」と名付けた。創業時は昔ながらのベーシックなフランス菓子を販売していたが、最近は客のリクエストも取り入れ、現代的なケーキも一緒にショーケースに並べている。誕生日用のイラストケーキやアイシングクッキーなどは、妻の理恵子さんが専門的に学び担当するようになり、接客やSNSの対応は、原田さんの姉の鈴木里奈さんが担当。幅広い客のリクエストに対応できるようになったという。
ハンドメード作家によるアクセサリーなども販売する同店。原田さんは「将来はカフェスペースを設けることも考えている」という。今後は「もっと地域の農産物を取り入れ、地元との結びつきを深めたい。地域に愛される店になれるよう頑張っていきたい」と意気込む。
営業時間は10時~18時。月曜定休。