「農畜産物の物流2024年問題講座」が6月30日、JA水戸本店(水戸市赤塚)で開催された。
主催は茨城町流通対策協議会とJA水戸。
自動車運転業務における時間外労働の上限規制の適用を受け、「農畜産物の物流にどのような問題が起きるのか、今後生き残っていく産地はどのような産地か」をテーマに、水戸市、城里町、大洗町、茨城町などの県央地域の農業者に向けて講座を開いた。
「物流の2024年問題」とは、働き方改革関連法によって2024年4月以降、トラック運転手などの労働時間が短くなることにより、「今まで通りに荷物が届けられなくなる」「配送コストが高騰する」「売り上げ・利益が減少する」など、運送・物流業界に生じるさまざまな問題のこと。茨城町流通対策協議会では、農畜産物輸送も影響を受けることから、具体的に学ぶために企画したという。
同協議会の長谷川重幸会長が、経済産業省大臣官房参事・独立行政法人経済産業研究所の上席研究員である佐分利応貴(さぶりまさたか)さんに講師を依頼した。日本花き生産協会鉢物部会の活動で過去に佐分利さんと接点があったことから、今回の講演が実現した。
佐分利さんは、講演の初めにアイスブレークを通じて、「コミュニケーションの大切さ」を説いた。
講演の中で「2024年には運輸業界の問題もあり車の奪い合いになるが、2025年には自動運転が徐々に始まり、ITによりさらに変化していく。目の前の2024年問題の対応について、先を見据えながら手を打つことが大事」と話し、「とにかく情報を集めて考え続け、相手との密なコミュニケーションを図り、相談しながら策を見つけていく。これができるかできないか」と繰り返し、コミュニケーションの重要性を訴えた。
さらに、「今後ますます環境の変化が激しくなる中で、生き残っていく強い産地とは、お客さまや商売者などの現場の声を聞き、問題を持ち寄り、仲間と助け合い、知恵を出し合うことができるような『環境の変化に適応できるところ』である」と述べた。