画家・亀井則道さんの個展「風景画展~学童用水彩絵の具の世界~」が7月26日~30日、茨城県植物園(那珂市戸)で開かれた。
会社員として働いていた亀井さんが絵画に目覚めたのは2017(平成29)年。インフルエンザを患った際に、たまたま学童用水彩画絵の具を手に取ったことがきっかけだった。出来上がった作品をインスタグラムにアップすると海外からの反応が多く届き、今では2万人のフォロワーがいる。同年に初めて都内で個展を開催、2018(平成30)年に茨城県内での初個展を水戸のギャラリーで開いた。
亀井さんが制作時に使っているのは学童用水彩絵の具。技法は全て独学で、水の量を調整しながらぼかしや重ね塗りを繰り返して描いているのが特徴。サインや人物は描かず、題名も付けていない風景画を作品のテーマとし、作品の中に入り込んだような没入感のある画風が人気を博している。亀井さんは「作品を自由に見て、それぞれの解釈で楽しんでほしい」と話す。
同展で展示した作品は約100点で、7割が新作。人気作品のほか、タンポポの綿毛が描かれた「たんぽぽシリーズ」やパステル色で描かれた「童話シリーズ」などを飾った。訪れた磯田典子さんは「優しくてきれいな絵。普段絵を描くことはないが、絵手紙を描きたくなった」と笑顔を見せる。
亀井さんは絵画教室も主宰。「今の作風にたどり着くまでの回り道を指導に生かして、学童用絵の具を使って絵を描く楽しさを伝えていきたい」と思いを寄せる。