
水戸の下市商店街にある美容室「soat(ソート)」(水戸市本町2丁目)が7月2日、開業1周年を迎えた。
店主の増田大成さんは土浦市出身。転勤族だった父親の影響で各地を転々とし、高校時代までは茨城で過ごした。東京の専門学校卒業後、青山の美容室で1年間勤務。Uターンし、日立関係の会社に2年間勤めたが、24歳で美容師に復帰。「28歳で開業することを決めていた」という増田さんは、ひたちなか市や水戸市内の美容室で経験を積み、昨年7月に独立開業した。
店名の「soat」は、英語で「木陰」を意味する「Shade of a Tree」の頭文字を取ったもの。オーナーの増田大成さんは「髪を切るだけでなく、お茶をしに来たり、遊びに来たりできる、人が集まる場所を作りたかった。木陰は昔から人が集まるイメージがあり、雨風をしのげたり、休んだりできる。そんな空間を目指した」と話す。
店では、美容室とアイブロウ(眉毛)サロンをメインに、古着販売、カフェ、バーも併設。今年5月からはオーダースーツブランド「nonnoble(ノンノーブル)」も始めた。「店に来る理由はそれぞれあっていい。10代から30代の男性をメインターゲットに、ワクワクする秘密基地のような空間を作りたかった」と増田さん。
客層は男女比9対1で、ほとんどが男性客。愛知県や神奈川県から通う客もいるという。
オーダースーツは10万円前後から。増田さんは「美容室が運営しているからこそ、髪型から眉毛、服装まで全てをトータルコーディネートできる。自分自身あまり身長が高くないので、その視点を生かした身長が低い人でもスマートに見えるデザインも得意」と話す。5月に始まった事業だが、すでに営業職や結婚のあいさつ用、成人式用などの注文があるという。
カフェではひたちなか市に本社を置く「サザコーヒー」とコラボし、コーヒーなどを販売。「家のダイニングをテーマに、温かく落ち着く空間づくりを心がけている。その中で非日常的なラグジュアリーなものを味わってほしい」と増田さん。
1年を振り返り、増田さんは「あっという間だった。美容室に行くために時間を作るのではなく、店を目的に、楽しみに来てくれる人が多く、この店が誰かの人生の貴重な時間の一部になれているのだと感じることができてうれしい」と笑顔を見せる。
料金は、カット=6,600円~、眉パーマ+眉カット=6,600円~。7月1日からは、月額1,000円のメンバーシップ制度を始める。施術の割引やスーツの優待、提携店でのサービスなどが受けられる。増田さんは「かっこよくなりたかったら来てほしい。美容業界の働き方を変えたいという思いがあるので、2年目もさまざまな取り組みを通して、茨城の美容業界を盛り上げたい」と話す。
営業時間は、月曜・木曜=13時~20時、火曜・金曜・土曜・日曜=10時~18時。水曜、第1・第3火曜定休。