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水戸でテックグランプリ 筑波技術大学の「Voice Comms」が最優秀賞

「第3回茨城テックプラングランプリ」最優秀賞の「Voice Comms」と審査員

「第3回茨城テックプラングランプリ」最優秀賞の「Voice Comms」と審査員

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 「第3回茨城テックプラングランプリ」が11月9日、常陽芸文センター(水戸市三の丸)で開かれた。

「第3回茨城テックプラングランプリ」ファイナリストと審査員ら

 同コンテストは、「令和元年度茨城県ベンチャー企業創業・事業化支援事業」の一環。科学技術系のベンチャーを発掘・育成する事業審査会「茨城テックプランター」として、2017(平成29)年から開催し、今年で3回目。情熱をもって茨城県から世界を変えようとするチームを共に発掘・育成することを目的とする。企画・運営は科学教育会社「リバネス」(東京都新宿区)。

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 当日は、26の応募チームの中からファイナリストに選出された9チームがプレゼンテーションを行う。最優秀賞には、筑波技術大学のチーム「Voice Comms」が選ばれた。テーマは、「音声が拓(ひら)く世界 ~視覚障害者の特性を活(い)かした音声アシスタントの機能強化と活用~」。

 筑波技術大学情報システム学科助教で同チーム代表の鶴見昌代さんは「視覚障がい者でも開発環境を整えることでゲーム制作やシステム開発が可能だが、現状の社会では視覚障がい者は十分に活躍できる社会にはなっていない」と課題を挙げ、「視覚障がい者は、視覚情報を音声コミュニケーションで補うことが多い分、音声コミュニケーションにたけている人も多く、音声アシスタントに関する開発では視覚障がい者ならではの発想や工夫を行うことができる」と話す。

 「視覚障がい者の中でも能力の高い人だけが開発できるというのではなく、誰でも開発しやすいシステム開発環境の構築を工夫している。今後の目標は、この開発環境を多くの視覚障がい者が使えるようにすることと、本当に初心者でも使えるようにすること。将来的には小・中学校の視覚障がい者でも使えるプログラミングも作りたい。視覚障がい者が企業で、社会でもっと活躍できる社会をつくりたい」とも。

 最優秀賞を受け、鶴見さんは「視覚障がい者のためにできることをやっていきたいと思っていて、それを認めていただけてうれしい」と笑顔を見せる。

 そのほか、「協和発酵バイオ賞」には茨城大学「MoMo」の機能性成分やバイオエタノールを生産する藻の大量培養技術開発「藻バイオリファイナリー」、「日本ハム賞」には農業・食品産業技術総合研究機構「MOPI」のヒト再生医療の研究に活用するモデル動物の開発「モデルブタによる新産業創出」、「フォーカスシステムズ賞」には産業技術総合研究所「TRT」の「脳卒中迅速診断治療のためのX線CT搭載救急車のインフラ構築」などが企業賞に選ばれた。

 審査委員長で「リバネス」社長の髙橋修一郎さんは「研究者の熱が世界を変えていく。私もそれにかけてみたい。ここから何か始めていけるはず。次世代、次々世代にとって、われわれが良い刺激物として未来志向で、大人げない大人が未来をつくりにいっているのを見せつけていきたい」と力を込める。

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