茨城の県立高校2校をオンラインでつなぎ合同授業を行う「オンライン実験教室」が6月23日、勝田高校と日立北高校で行われた。
企画した科学教育会社「リバネス」(東京都新宿区)では2002(平成14)年の創業当初から、小学校・中学校・高校などに向けた先端科学の出前実験教室を手掛けている。参加者数は延べ10万人を超える。同社の「教育応援プロジェクト」で、パートナー企業と共に、社会の中で培われる先端の科学・技術を子どもたちに伝えてきたノウハウを生かし、今年5月からオンライン型実験教室・出張授業のサービス開発に取り組んでいる。
同社担当者は「新型コロナウイルスの影響が続く中で、子どもたちの学びを止めないためにも学校現場ではオンラインを活用した教育が求められている。今回は初めて高校生を対象に自ら学び自ら考える力を養う研究体験をオンラインで行った」と話す。
当日は「フォーカスシステムズ」(東京都品川区)をパートナー企業に招き、「酵母の発酵」をテーマに「化学の視点で最高のふわふわパンを作り出せ!~見えない世界をのぞいてみよう!~」の講義と実験を、オンライン会議システム「Zoom」を使い行った。勝田高校から12人、日立北高校からは8人の生徒が参加し、班ごとに疑問から仮説、実験、考察の研究プロセスを体験し、学びを深めた。
「フォーカスシステムズ」社長の森啓一さんは「新型コロナウイルスで社会が大きな影響を受けている中、オンラインツールを活用した新たな学び体験を開発していくことが重要。茨城県からその第一歩を創り出していけたら」と話す。
「リバネス」では今後、課題研究の取り組みと連携し、生徒たちの学びを継続的にサポートしていく方針という。