サッカーJ2・水戸ホーリーホックが現在、クラブの経営資金を賄うため、クラウドファンディングサイトを通じ寄付を呼び掛けている。
水戸ホーリーホックは1994(平成6)年創立。J2参戦から20年、リーグ内でも最小規模の強化費の中で、昨年はクラブ史上最高順位となるJ2リーグ7位で終え、「J1昇格」が手に届くところまで近づいていた。
「J1昇格」を目指す今年、新型コロナウイルスの影響で、Jリーグは一時中断を余儀なくされた。再開後もスタジアムの入場制限等により収入が減少。クラブ経営を支えるスタジアム収益、グッズ収入、スポンサー収入などが減収となり、最大9,000万円の赤字が見込まれる。
同社広報担当者は「これまで一度も降格することなくJ2で闘い続けて来ることができたのは、ファンサポーター、ホームタウン、スポンサーなど、ホーリーホックに関わる皆さまの支えのおかげ」と話す。
中には、選手の好みを把握して差し入れをする人や、街なかで世間話をすることもあるという。「『地域・サポーターとのつながり』こそが、ホーリーホックの最大の強み」と同担当者。
寄付の目標額は3100万円。リターン品は、全選手のサイン入りの特製ユニホーム(5万円)、スポンサー協賛コース、「スペシャル体験コース」としてリーグ公式戦でのピッチカメラマン体験(3万円)などを用意する。
小島耕社長は「私たちは水戸の象徴として皆さまの心の拠り所であり続ける必要がある。この危機を乗り越えることで人が育ち、クラブが育ち、街が育つと信じている。皆さまとともに成長することができる、そんなクラブを目指している」と話す。
「確かに経営規模は小さい『小クラブ』かもしれないが、皆さまの力を借りてホーリーホックが一つになった時、大きなクラブにも打ち勝つことができると信じている。赤字を少しでも減らし、来季以降この地域に夢と感動と一体感の共有を生むためにも、ぜひ皆さまからのご支援をいただければ」とも。
1999(平成11)年から同クラブに所属している日立市出身のゴールキーパー・本間幸司選手は「シーズンも感染者も出さずに順調にリーグを消化できていることは本当にうれしく思う。これまでに本当にたくさんの危機があったが、皆さまと一緒になんとか乗り越え存続して、クラブも大きくなり、J1を確信できるようになってきた。新たなチャレンジに向けてクラウドファンディングという形でクラブも挑戦していきたい」と話す。
「またみんなと一緒にこの危機を乗り越えて、さらにクラブとしてチームとして大きくなれるように、力を合わせて先に進めていけたら」とも。
12月22日現在、2040万1600円が集まっている。クラウドファンディング支援締め切りは12月23日23時。