サッカーJ2・水戸ホーリーホック選手が5月11日、ブログサービス「note」を使った城里町の魅力発信「選手たちの城里日記」の公開を始めた。
茨城県西北部地域にある人口1万7765人の城里町は、水戸市、笠間市、常陸大宮市、那珂市が隣接する。
同チームは、2018(平成30)年から廃校となった旧七会中学校を利活用した複合交流施設「アツマーレ」を練習拠点としている。
「選手たちの城里日記」での発信のきっかけは、岸田翔平選手と細川淳矢選手らの会話だったという。岸田選手は「ホーリーホック選手となって3年目。これまでは、住まいからアツマーレの往復が中心だった。道中に気になる看板があったり、町内の店の話を耳にしたりはあったが、実際にこの町のことを知っていないと思った」と振り返る。「今年3月ころ、同じような状況だった細川選手との会話の中で、アツマーレのあるこの城里町に何か恩返しにできることはないかと同企画を思いついた」と話す。
企画をフロントスタッフに相談し、発信方法などを決めた。発信には、ブログサービス「note」を使い、取材や撮影、執筆まで選手自らが行う。広報担当の土屋由美さんによると、選手が書き上げた原稿のチェックは広報スタッフが行うが、「誤字脱字や誤った言葉の使い方をしていないかのチェックをするくらいで、特に統一はせず、選手が書いた原稿のままで発信している」という。
取材は休日などを使う。基本的にノーアポで、これまでに日本茶店や古民家などを取材している。一つの施設でも何度も足を運ぶこともあるという。岸田選手は「取材させてください、と言ってお邪魔しているが、ありがたいことに皆さん快く受け入れてくださっている」と感謝を口にする。
記事では、練習拠点近くの探索の様子や同町で生産する茨城三大銘茶の一つ「古内茶」、国登録有形文化財「島家住宅」などを紹介するほか、5月上旬に行ったという田植え体験などを紹介する。
「(自分たちで)直接地域の方の話を聞くことを大切にしている。取材も、一回話を聞いて終わりではなく、何度も足を運ぶことでその人のこと、地域のことを知ることができていると感じている」と岸田選手。
「取材を通じて、僕たちが思った以上に町の方が応援してくれていると実感したし、行動一つ起こすことで、変わっていくんだという確信も得た」と力を込める。
5月11日から発信を始め、5月31日現在、岸田選手、細川淳矢選手、中山開帆選手が取材・執筆を行っている。発信は全選手に共有しているほか、いつでも全選手が記事を書けるよう設定しているという。更新頻度は週に1回前後を目指す。
岸田選手は「もちろん本業はサッカー。一方で、地域での取り組みも大切。こうしてお世話になっているのにまだ自分たちも分かりきっていない城里町のことを発信することで、人と人とのつながりの輪が広がっていけばうれしい。楽しみにしてくれる人が増えていくように今後も体験したことを発信していく」と話す。
同企画では、ツイッターや「note」コメント欄で、城里町内の取材してほしい場所のリクエストも受け付ける。