「ひたちなか海浜鉄道」が5月31日、2022年3月期の決算を発表した。
単年度の純損益は1,831万2,000円で、2年連続の赤字。輸送人員は、昨年4月に開校したひたちなか市立の中高一貫校「美乃浜学園」の児童生徒の輸送が新たに加わったことから、開業以来過去最高の108万5962人を記録した。
総利用客数は、昨年度の決算発表時、過去最多となったコロナ前の2019年度に対し、80%まで回復させることを目指していたが、2019年度比76.6%にとどまった。旅客運輸収入は1億5,869万円。開業以来、過去最低となった昨年度に比べ、21.6%増となった。
ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長は「コロナの影響はだいぶ薄まったものの、まだまだ厳しい状況。燃料費の高騰も営業費増の背景にある」と話す。
同鉄道の湊線はJR常磐線の勝田駅と沿岸部の阿字ヶ浦駅までの計10駅・14.3キロを結ぶ路線。昨年10月、キハ11-5を新たにラッピングし、つり革にほしいもを取り付けるなどした「ほしいも列車」の運行を始めたほか、今年3月には、同社初となる自転車をそのまま車内に持ち込める「サイクルトレイン」の実証実験などにも取り組んだ。同社は、本年度も沿線地域との連携などによる付加価値向上を進め、同社の黒字転換と地域の活性化を目指す。