茨城工業高等専門学校(ひたちなか市中根、以下「茨城高専」)の生徒が運営するイベント「茨城高専アソビサイエンスinミトウチ」が2月17日・18日、「イオンモール水戸内原」(水戸市内原2)で開催された。初日の開場時間には、整理券を求める家族連れの行列ができた。
茨城高専は県内唯一の国立高等専門学校で、理系を専門的に学ぶ学校。同イベントでは、会場運営から来場者対応まで生徒が主体となって行い、CG・VRコンテンツや音楽、映像、ゲームなど、日頃の授業や実験・実習、研究活動等を通して学んでいることの成果を発表した。会場には音と光、デジタルを融合した多数の体験型コンテンツを用意し、小中学生に理科や科学の楽しさを体験してもらうワークショップなども開催。2日間で延べ151人の高専生が来場者を迎えた。
「デジタルバーチャルライブ」では、CGと音源制作を本科4年生が1人で担当した作品を発表した。「ドローン体験」では、生徒が制作したシミュレーションゲームをPCで行った上で、ドローンの実機を操作。生徒によるとドローンを研究しているメンバーが、VR操作後に実機でどれぐらい操作性が上がるかを検証することなども考えたという。「お絵かき水族館」では、参加者が描いた海の生物をPCに取り込み、モニター上で泳がせた。子どもたちは自分の描いた絵が動く様子を見て喜んだ。
ロボット部によるキリン型ロボット「いばらきりん」のパフォーマンスでは、多くの家族連れがホール内に集まり見学。チームで息の合った操作を行いながらロボットの仕組みなどを解説すると、質問コーナーでは子どもから大人までひっきりなしに手が上がり、盛り上がりを見せた。
ワークショップのテーマは「デジタル」「工作」「環境」。カードを使った簡単な「プログラミング体験」や「紙コップ相撲ロボット製作体験」では、生徒が参加した子どもたちをサポートした。園芸・環境部による「SDGsアクセサリー」のワークショップでは、生徒が阿字ヶ浦の海岸で拾い集めた海洋プラスチックを消毒し、はさみで小さくカットするなど事前に準備。アクセサリーを作るだけでなく、環境問題を身近に感じてもらえるように「環境クイズ」も併せて行った。
同校広報室副室長の金澤秀映さんは「生徒が主体的にイベントを運営することで、社会性やコミュニケーション力、協働する能力を学んでほしい。挑戦する姿勢や失敗にくじけない心を養うための経験を積んでほしい」と期待を込める。「3年ほど前から茨城高専を知っていただく機会としてイベントを重ねてきたが、アソビサイエンスの名で小中学生向けのイベントとして定着してきた。今後も理科や科学の面白さを伝えていきたい」とも。
次回は3月20日・21日、イーアスつくばでの開催を予定している。