水戸・袴塚の「ラーメン富次郎(中華そば編)茨大前店」(水戸市袴塚)が6月29日で閉店する。
富田剛史さんは「お金のない大学生が、安くて、おなかいっぱい食べられるように」という思いで2014(平成26)年11月26日、母親の故郷である水戸市上水戸に「ラーメン富次郎」1号店をオープンした。
「ラーメン富次郎」は、太い麺と豚骨じょうゆのスープ、ボリューム感のあるチャーシューや野菜、背脂が特徴のいわゆる「二郎インスパイア系」のラーメンを提供してきた。
2023年11月12日、茨城大学水戸キャンパス前に、これまでの「二郎インスパイア系」とは一味違った、あっさりとしたスープが特徴のラーメン店を開いた。
王道の「中華そば(正油)」は490円。安さの秘訣(ひけつ)は「一から十まで自分たちで作ること」だという。「中華そば」のスープは、かつお節・さば節・煮干しからダシを取り、麺も粉から作っている。
富田さんは「『ありがとう』『おいしかった』という、お客さまから日々頂く言葉がうれしい」と話す。茨城大生だけでなく、近隣で働く社会人も通う茨大前店。来店した男性客は「閉店だと聞きがっかりした。『最後に』と思い、まだ食べたことのないメニューを食べに来た」と名残惜しむ。
物価高や人件費などを理由に茨大前店は閉店するが、富田さんは「将来的には同じ場所で復活させたい」と意気込む。今後はネット販売やフランチャイズ展開も視野に入れ、事業を拡大していくという。
富田さんは「来店いただきありがとうございました。それしかない」と、地域の人々に向けて感謝の気持ちを告げる。
茨大前店の営業時間は、11時30分~14時(昼の部)、17時30分~22時(夜の部)。「二郎インスパイア系」のラーメンを提供する水戸市堀町・見和、笠間市友部の店舗は今後も営業を続ける。