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食品ロス削減へ 茨城大で「サルベージ・パーティー」、余った食品持ち寄り

Foodist Link代表でシェフの高田大雅さんのデモンストレーションの様子

Foodist Link代表でシェフの高田大雅さんのデモンストレーションの様子

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 茨城大学(水戸市文京2)で11月23日、「家庭内の食品ロス削減研修会&サルベージ・パーティー」が開かれた。

サルベージ・パーティーで食品ロスへの理解を深める参加者

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 同大学教育学部の石島恵美子准教授は「家庭内の食品ロス」をテーマに研究。「知れば知るほど、食品ロスを削減しなくてはいけないという焦燥感にかられる。日本ではSDGsを受け2030年までに食品ロスを半減させる目標を掲げたが、食品ロス削減の行動を取ることが望ましいことは分かっていても、なかなか実行できずにいる」と話す。フード・サルベージ代表の平井巧さんと出会い、余った食品を持ち寄り調理する「サルベージ・パーティ」を知ったことから、食品ロスのジレンマに陥っている人とつながり、みんなで楽しみながら食品ロスを削減しようと企画した。

 初回には、県内外から30人が参加。当日は、講義「家庭内の食品ロスを半減できるだろうか?」のほか、Foodist Link代表でシェフの高田大雅さんのデモンストレーションも行われた。参加者が高田さんの指導の下、調理を行い試食するサルベージ・パーティーでは、春雨をゆで、マヨネーズとしょうゆ、ミックスナッツを混ぜた「エスニック春雨サラダ」などを調理。食品ロスへの理解を深めた。

 参加者からは「食材を無駄にすることなく食べられてうれしい。おなかも心も満たされた気持ちになった」「日本は自給率が低いのに食品を無駄にしている場合ではないと思った。無駄になりそうだった食材に命を吹き込んでもらったようでとてもうれしい気持ちになった」との声が上がった。

 石島准教授は「年代も職業もバラバラの30人が集まった。人や食材の出会いが力となり、社会課題の解決に向けてみんなで楽しみながら立ち向かい、たくさんの食材を廃棄からサルベージすることができた」と振り返り、今後について「このようなイベントを通して、食べ物と出会い直し、楽しみ、柔軟な発想で調理をすることを、多くの人に感じていただければ」と話す。開催後には、参加した高校生が各家庭で余った食品を持ち寄り、必要とする人々に寄付する「フードドライブ」を全校生徒に呼び掛けたいと校長先生に直談判。実施することが決まったという。

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