大洗の「アクアワールド茨城県大洗水族館」(大洗町磯浜町)が8月22日、成人対象のナイトイベント「宴夜(えんや)~大人のためのナイトアクアリウム~」を開いた。
「宴夜」は今年5月、同館の若手職員らを中心に企画した。成人限定でのナイトイベントは同館初。これまでの主な客層のファミリー層に加え、地域企業と連携することで、新たに「夜の大人時間」の需要の掘り起こし、観光PRを図る。「夜の水族館という新たな魅力が創出できれば」と同館担当者。
当日は、事前予約で受け付けた350人が来館。入場時に「月の井酒造店」のイベント限定となるスパークリング日本酒カクテル「ナイトアクア」と水産加工会社「カジマ」の水産物がセットになった「宴夜フード」を提供した。館内では、大水槽をライトアップしたほか、照明の置かれたハイテーブルを設置。来館客は食べ歩きをしながら、思い思いに観賞を楽しんだ。
オーシャンデッキがお薦めという同館担当者は「飲食しながら、夜の雰囲気に合わせた照明の中で生き物の夜の生態を見ていただける。オーシャンデッキでは、波の音や海風を感じながら、ペンギンやアシカなどの動物を鑑賞いただける」と魅力を話す。
イベントでは、「宴夜」特別版となるアシカとイルカのオーシャンライブも実施。解説を減らし、パフォーマンス重視の構成とした。オーシャンライブでは、アシカが「乾杯」の音頭を取り、グラスを手にした来館客がグラスを上げる様子もあった。
竜ヶ崎市から来たという男女は「夜の水族館は初めて。SNSで見てチケットを取った。大人向けということで静かで昼間とは違った雰囲気がある。飲食を楽しめるのも珍しい」と話す。大学の友人グループで足を運んだという20代大学生は「地元の友達に教えてもらって面白そうだと思って申し込んだ。普段見られない生き物の動きも見られるし、なにより幻想的。時間帯が変わるだけでこんなに違うのかと感動した」と話す。
藤森純一館長は「地元企業とコラボすることで、茨城の底上げになればという思いがある。開館する上で、お客さまの安心安全が使命。事前申し込みで、非接触の受け付けを行い、人数を制限することで安心してゆっくり鑑賞いただける。今まで通りといかないこともあるが、今後も第2弾、第3弾とさまざまなことに挑戦していきたい」と意気込む。
次回は今月29日に開催される(チケットは完売)。