那珂市の古徳沼(那珂市古徳)で11月5日、オオハクチョクの放鳥が行われた。
放鳥したのは、茨城県鳥獣センターが昨年12月~6月に県内で保護したオオハクチョウ4羽。オオハクチョウは、シベリアから来鳥する冬鳥。放鳥した古徳沼は、広さ約5ヘクタールの農業用ため池で、毎年オオハクチョウ・コハクチョウが訪れる。
1966(昭和41)年、白鳥が訪れるようになったことから、給餌を開始。年々飛来する白鳥の数は増え、1990(平成2)年には最大飛来数238羽に達した。昨年は、175羽が飛来し越冬したという。同所では、毎年10月下旬から3月ごろまで見ることができる。
茨城県植物園の小林慎行さんによると、4羽は那珂市、水戸市、大洗町で保護されたという。獣医による診断の後、茨城県植物園内の鳥獣センターで約1年間飼育された。
当日、那珂市地域おこし協力隊の八子結奈さんがケージを開けると、オオハクチョウは勢いよく飛び出して古徳沼に入った。放鳥された4羽は、今年飛来していた20羽ほどのオオハクチョウに合流。合流後は、会話をするように鳴く姿や、優雅に水面を滑る様子が見られた。
小林さんは「無事に仲間たちのところに溶け込めて良かった。古徳沼では、オオハクチョウの飛来が始まったところ。早い時期から野生に戻すことで、筋力を付けて無事に帰っていくことができれば」と期待を寄せる。
八子さんは「みんなで元気に仲良く過ごしてほしい。飛び立つまでの期間、いろいろな人が古徳沼に見に来てくれるはず。多くの人を楽しませてくれたら」とほほ笑む。
小林さんによると、オオハクチョウが飛び立つのは、来年春ごろの予定だという。