水戸経済新聞の2020年PV(ページビュー)ランキング1位に輝いたのは、ホームセンター敷地でのニホンミツバチ分蜂への対応を伝える記事だった。
ランキングは今年1月1日から12月10日までに配信した386本のヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。
1. 水戸のホームセンター敷地でニホンミツバチが「分蜂」 張り紙で「神対応」も(8/23)
2.水戸で高級食パン「迷わずゾッコン」 迷わずにずっと愛されるパンに(2/13)
3.水戸に高級食パン専門店「嵜本」 茨城初出店(6/15)
4.水戸の有志が菓子や弁当をドライブスルー販売 市内店舗の駐車場活用(4/28)
5.茨城大学生協が過剰在庫SOS 茨大クッキー1300箱抱える(3/17)
6.水戸のアクアテクノが除菌用次亜塩素酸水を無料配布 「できることをできる人が」(4/16)
7.「パン工房ぐるぐる」が「ロスパン詰め合わせ」販売へ 外出控えの方も(4/20)
8.水戸の「アゴチベーカリー」 本場フランスのパン製法を再現(3/23)
9.茨城県植物園でハンドメード作家による手作りマスク販売、新型コロナによるマスク不足で(3/29)
10.水戸の「お食事処ふくだや」が1周年 肉問屋が作る定食、テークアウト対応も(11/2)
1位はホームセンター山新 渡里店の敷地でできたニホンミツバチの分蜂を張り紙や店舗入り口の封鎖などで客の安全を確保しつつ、飛び立つまでを見守ったという記事だった。昨年10月の台風19号による洪水で屋根まで水没し、今年3月に再開した同店。被災状況を知る人からは「去年の水害で大変だったところだから、こういう心温まるニュースで名前があがってくれるのはなんとなくうれしい」「どこの山新かと思ったら渡里だった。近所の誇れるホームセンターです。(台風で浸水したけどまた1から建て直し元通りになった最強の店舗)」「優しい世界。ミツバチをよく知っていたホームセンターだからかな。やはり理解することが優しい世界を作る」(以上、原文ママ)といったコメントが寄せられた。
同記事は、SDGsの観点からも外務省の公式ツイッターで紹介された。SNS上では多くの注目を集め、同社には県内外から多くの反響が寄せられたという。店舗には「ニュースを見て来たよ」と連日多くの客が訪れたという。「ミツバチ店長」とあだ名も付き、「従業員たちで『ミツバチの恩返しだね』と話している」(大島店長)。
2位と3位は、共に高級食パン店のオープンを伝える記事だった。「迷わずゾッコン」は、SNS映えするインパクトある外観も話題となった。今年は、水戸市内外に数多くの高級食パン店が出店し各地で行列ができるなど、地域の注目を集めた。
新型コロナウイルスの影響により、不足したマスクなどへの関心も高かった。水戸市の雑貨店や那珂市のアミューズメントストア、植物園などではいち早くハンドメード作家が作った布マスクを販売するなどの動きがあった。
大量に在庫を抱えた食品加工会社や土産物店を救おうとする有志らの活動をはじめ、飲食店のイートインからテークアウトへの切り替えなど、新型コロナウイルスによる各業界の変化が多く見られた。
一方、14位には、水戸の洋菓子店「DAiCHAN SWEETS(ダイチャンスイーツ)」の移転を知らせる記事、15位には大洗を舞台にしたアニメをきっかけに移住した店主が、模型やプラモデル販売のほか、店内にアーケードゲームを設置するホビー喫茶「Sdkfz(スダコフツ)」の開業を知らせる記事など、コロナ禍でも前向きに取り組む記事に注目が集まった。
水戸経済新聞は2021年も広域水戸圏の「まちの記録係」として街の動向に注目していきたい。